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ジェイド視点〜疑惑

今話も読みにきてくださってありがとうございます。

相変わらず誤字脱字が多くてすいません、報告お待ちしております。


一迅社様より「地味な私が転生したら王太子妃の取り柄のない妹だったので、自立の為に頑張ります」の書籍化が決まりました。発行をお楽しみに。

ジェイド視点〜疑惑


「大変な所を見てしまった…」


ロベルト殿下の急な外出にいつもの護衛が体調不良でついていけないと言うことで、第一騎士団の団長から突然俺に護衛につくように言われた。

正直腕に自信のある俺は、護衛なんて面倒だと思っているが、ロベルト殿下の護衛となると話は別だ。

ロベルト殿下は超がつくほど真面目で国民思い。

剣の腕では第二王子のシリウス様には劣るものの、その他の全てが優れている。

誰しも憧れる立派な王太子様だ。

王太子妃のマリアベル様とも仲が良く、まだ公にはしていないもののマリアベル様のお腹に赤ちゃんがいるということは、王宮勤めのものなら周知の事実だ。

ロベルト殿下の護衛ならと喜んで引き受けたのだが……。

まさかこんな現場を目撃することになるとは。


そこは馬車も入れない細い路地にある一軒の雑貨屋だった。

「私はここで大切な人と会うから、ジェイドは店の外で待っててくれ」

ロベルト様が俺に向かってそう言ったのだ。

「大切な人……?」

呆然と聞き返すと、ロベルト様は肯定の言葉を発した。

「そうだ。それとここにきたことはマリアベルや、陛下、王妃には言わないように」

なんだって? 一体どういうことだ。

ロベルト様が店に入ると、居ても立っても居られず、窓から店の中を覗き込んだ。

雑貨屋に少女とも言えるような若い女がいた。

ストロベリーブロンドの髪に少し幼さの残る整った顔。

ロベルト様はその少女に今まで俺達が見たことのないような優しげな顔をむけている。

しばらく二人は話していたが、ロベルト殿下が内ポケットから金が入っていると思われる皮袋を取り出し、少女に渡したではないか。もちろん何か購入した様子もない。

「嘘だろ……。金を渡してるのか?」


こんがらがる頭でも、なんとか護衛の任務はしっかり全うしたつもりだ。

しかし俺一人で考えても、堂々巡りだ。

かと言って陛下や王妃に相談することもできない。

次の日の第一騎士団の訓練ではついに団長に怒られてしまった。

「ジェイド! どうした? 今日のお前は何か気が抜けているぞ」

「すいません、団長」

こんなに動揺して訓練まで影響するなんて、自分の弱さが悔しい。

「どうしたんだ? 何か気になることでもあるのか?」

そう言って心配そうに肩を叩いてくれたのは、第二王子でありながら第一騎士団メンバーでもあるシリウス殿下だ。

同じ時期に第一騎士団に入り、歳も同じということで、仲良くさせていただいている。

少し自由人なところもあるが、根は優しい人だ。

そうだ! シリウス殿下なら相談に乗ってくれるだろう。ロベルト殿下もシリウス殿下に言うなとは言ってなかったし。

それにもしもの時は、ロベルト殿下に進言してくれるに違いない。

「シリウス様。あの実はご相談したいことがありまして……」

「ん? なんだ」

「ここじゃなんですから、訓練が終わった後、我が家に来ていただくことはできますか?」

こんなところで話して誰かに聞かれでもしたら大変だ。

「今日は訓練後は何も予定がないぞ。友人の相談だ。喜んで伺おう」

俺の勘違いと笑い飛ばしてくれればいいのだが。


「なんだって!? 兄上が大切な女性と秘密に会っていた?」

俺の家の応接室で俺たちはソファに座ると人払いをして話し出した。

俺の話を聞いたシリウス殿下は酷く驚いた様子だ。

「あの真面目な兄上が!? どんな状況でどんな女性なんだ。場合によっては我が国に大きな影響をもたらすかもしれん……」

国に影響だと? 大変な事になった。

「俺は昨日の状況を事細かにシリウス殿下に伝えた」

するとシリウス殿下はだんだんと下を向き肩を震えさせた。

よほどショックだったのか。

「ゔんッ。え〜、ソウダナ。それは大変だ。大変なことだ」

「?」

えへんえへんと咳払いをしてシリウス殿下は言った。

「大丈夫ですか? シリウス殿下」

殿下は顔を上げて言った。少し顔が赤い。

「ああ、大丈夫だ。問題ない。いや、しかし兄上は問題だ」

「やはりあの女性はロベルト殿下の……」

雑貨屋の主人ということは貴族ではない。王太子の第二夫人という立場は無理だろう。

となると妾か? それとも真剣な交際ではないのか? ロベルト殿下に限ってそんなことはないと思いたい。

「どちらにしてもあの子は苦労するだろうな」

嬉しそうにロベルト殿下に向かって笑う少女の笑顔を思い出す。

「いや、まだそこまでの関係ではないかもしれないぞ」

シリウス殿下の言葉にハッとする。

そうだ! 彼女はまだやり直せるかもしれない。

他人なんてどうでもいいが何故か彼女は放っておかない気持ちにさせられる。

「そうですね。あの子に忠告してみようと思います。シリウス殿下もそれとなくロベルト殿下にあの子を諦めるように言ってもらえないでしょうか」

シリウス殿下は震える声で答えた。

「ああ。俺からも兄上に言っておこう」

シリウス殿下にお話して良かった。

訓練が休みの日、彼女の店に向かおう。


読んでいただきましてありがとうございました。

少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです。

投稿ペースは以前より少しゆっくりになるかもしれませんが、よろしくお願いします。

感想、ブックマーク、評価もよろしくお願いします。


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