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大賢者の弟子④

今話も読みにきてくださってありがとうございます。

相変わらず誤字脱字が多くてすいません、報告お待ちしております。


一迅社様より「地味な私が転生したら王太子妃の取り柄のない妹だったので、自立の為に頑張ります」の書籍化が決まりました。発行をお楽しみに。

後日……。

「イエローサーペントの巣に火魔法を放ったんですって!?」

私の店にいたウノを見つけてマチルダがドアを開けるなり叫んだ。

「やあ、マチルダ。なんだい慌てて」

びっくりしている私とレオンを気にもせず、ウノはゆっくりとマチルダに向かって言った。

「慌てるに決まってるでしょ。イエローサーペントの素材を取らずに全て灰にするなんて頭がおかしいわ。全部売ったらいくらになると思ってるの」

それには私にも責任がある。

「あの……マチルダ。ウノは私のために……」

事情を説明しようとすると、ウノに止められた。

「マチルダ。俺を誰だと思ってるの? 金なら使いきれないほどあるんだよ」

これ絶対マチルダをからかって楽しんでるな。

魅惑的に微笑むウノにマチルダの頬が少し赤くなる……が、さすがマチルダ。頭を二、三回振ると正気に戻ったようだ。

「なんなの! 人がせっかく言ってあげてるのに。はあ、もういいわ、なんか疲れちゃった」

マチルダは店のカウンターに置いてある椅子にため息をついて座った。ウノの隣だ。

「マチルダ。せっかく来たんだからお茶でも飲んで行って。今入れてくるね」

わたしがそう言うと、マチルダは力無く答えた。

「リリィ、ありがとう。いただくわ」

レオンを連れてキッチンに向かい、お茶を入れる。

「ねえ、マチルダってひょっとして……」

レオンに話しかけるもレオンはさして興味なさそうだ。

「どうだろうな。ウノは完全に面白がってるみたいだな」

「そうかな。ウノも結構気に入ってると思うけど」

ウノは関心のない人達には当たり障りのない態度しか取らない。煽るようなあんな態度を取るのは気に入ってるんじゃないか。

「人の恋愛に首を突っ込むと碌なことにならないからやめとけ」

レオンは過去に一体何があったんだ。しかし言うことも一理ある。

「そうだね。見守るしかないよね」


マチルダに入れるついでに私とウノにも新しいお茶を入れ、店のカウンターまで持って行くと、何やら微妙な空気が流れている。

「どうしたの? 何かあった?」

お茶を二人の前におきながらわたしが聞くと、マチルダが怪訝な顔をして言った。

「リリィ。あなた彼に何かしたの?」

「彼?」

マチルダがこっそり指差す方を見ると、窓の外に人の顔の目から上だけ出ている。

ジェイドだ。

あれで本人は気づかれていないつもりなのか。

「はあぁ〜〜」

まだ勘違いをしているんだろうな。

思わずレオンと顔を見合わせる。

「何あいつ? 知ってるやつ?」

ウノがムッとした顔を隠そうともせず私に聞いた。

「まぁ、知ってると言えば知ってるんだけど……」

私がそこまで言うとウノが突然立ち上がってドアを開けて外へ出た。

「あっ、ウノ!」

しまった。事情を話してない。

ウノは素早くジェイドの前に立つとジェイドを見下ろして言った。

「なんなのお前? 俺のリリィになんか用でもあるわけ?」

ジェイドはしゃがんでいた状態からウノを見上げ、慌てて立ち上がった。

「お前こそなんだよ。あいつとどんな関係なんだ」

ウノはこれ以上ないくらい冷たい目でジェイドを見ると言った。

「お前……おれを知らないのか。リリィとどんな関係かだって? どうしてお前にそんなこと教えなきゃいけないんだよ」

そう言うとジェイドに向かって人差し指を伸ばす。

「お、お前! 何をした!」

ジェイドが動きを封じられたようだ。

やばい。ウノがキレる。

慌てて私とマチルダは店から飛び出した。

「ウノ! 落ち着いて」

「そうよ。その子は伯爵家の嫡子なのよ。色々まずいって」

マチルダも慌てて言った。

「そうだ! ウノ! 今からウノの大好きな紅茶のパウンドケーキ焼きたいから手伝って」

なんとか必死で気を逸らそうとウノの大好物の提案をしてみると、ウノが一瞬止まった。

「紅茶のパウンドケーキ?」

チャンスとばかりにマチルダも援護する。

「あれ美味しいのよね。私も食べたいな」

「そうそう。早く作ろう」

私はウノの背を押して店に入ることに成功した。

マチルダ。後は頼んだ。

「今よ! 酷い目に遭わされたくなかったら、早く来なさい」

マチルダがジェイドの手を引いて大通りに走った。

「いい? あの男が王都にいるうちは二度とリリィに近寄らないように。これは脅しじゃなくてあなたのために言ってるんだからね」

呆然とするジェイドに念を押してマチルダは店へと戻った。

「なんなんだ……一体」

ジェイドの呟きは大通りの雑踏に消えた。


読んでいただきましてありがとうございました。

少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです。

投稿ペースは以前より少しゆっくりになるかもしれませんが、よろしくお願いします。

感想、ブックマーク、評価もよろしくお願いします。


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