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…お嬢様、それは貴族としての常識です

今回の話は少し短めですがかなりタメになる知恵が炸裂する回です

「エマぁぁぁぁぁ! どうしてこうなるのよぉぉぉ!?」

レティシアの悲鳴が屋敷に響き渡った。


原因は簡単。紅茶を入れた瞬間、ティーポットが爆発したからだ。

「……お嬢様、こちらの茶葉、熱湯をかけてはいけないタイプのものかと」

「そんなの知らないわよ!」


ため息をついたエマは、静かにカップを拭きながら微笑む。

「僭越ながら、茶葉は少し冷ましたお湯で蒸らすのが香りを引き立てます」

「え、なにその裏技…」

「常識かと」

「常識じゃないわよ!!」

「……貴族なら知っていて当然かと」

「知らないことだってあるわよ!!」


その後も、エマの流石な知恵が炸裂する。


・皿洗いの際に「重曹」の代わりに「灰とお酢」を混ぜて研磨剤を作る。

・屋敷のカーペットの掃除に、「塩」を撒いて汚れを吸わせる。

・靴の匂い消しは靴の中に乾いた茶葉を入れる


「なにそれ!? もはや魔法より便利じゃない!」

「僭越ながら、“文明”という名の魔法です」


その日の夕方――。

屋敷の侍女たちは一様にこう囁いた。

「最近、屋敷の家事がやけに効率的になりましたね」

「ええ、まるで未来から来た人がいるみたい…」


「……」

そっぽを向いて知らないフリをしたエマであった。

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