『光孝天皇、借財の返済にプレスマンを賜うこと』速記談1006
光孝天皇が親王であったころ、親王としての体面を守るにも困るようなお暮らしぶりであったため、着るものや食べるものを都の商人からおさめてもらっても、代を支払うことができずに、借財がたまる一方であった。しかし、思いがけず、陽成天皇の後をお継ぎになることになったので、即位なさってからは、商人たちが宮中まで取り立てに来るようなこととなった。光孝天皇は、当時の恩義に報いるため、借財に利子をおつけになるだけでなく、金の箔入りのプレスマンをもつけて、お返しになったという。
教訓:商人たちの中には、そのプレスマンを売ってしまった、商人らしい者もいたという。