【第一章】~未来異世界転移編~ ⑥移動と食事?
せっかく地に足がついたので、ふと思ったんだけど、これは浮いているってことだよね?
つまり空を飛んでいるっていうこと?
空を飛んでいる感は・・・まったくない・・・
こう魔法とかで空を飛ぶ時はスイスイと飛んでいく感じだと思ったんだけど、この空を歩く感じ・・・
結局、とほほって思いながら徒歩で空を歩いてみる。
まあ、贅沢は言ってられないか~と気持ちを切り替えて、落ち着いてきたので、改めて外を見回してみると、点々と家が浮いている。
形状も、○、△、□、そして壺、など様々だ。
あそこの壺に住んでいるのは、たぶんタコ型人間なんだろな・・・
キューポーさんの子孫かな?
しかし隣の家でもけっこう距離があるな~飛んで(あるいて)いくと結構な距離になりそう。
そのわりに、未来的な飛行機とか、未来的な自動車とか、そういったものは特に見当たらない。
リカさんに移動ってどうしているのか聞いてみた。
『あ~旧石器時代には、移動する場合、「いわゆる乗り物」で移動していたんでしょ?すごい不便よね~。
この世界では、あそこに行きたいって思えば、すぐに行けるわよ』
まじか~。
ドラ〇もんの、どこで〇ドア的なやつを使うんじゃなくてテレポーテーションみたいなもんか。
便利っちゃ便利だけど、列車から見る景色とか駅弁とか、そういうものも無いのか・・・
まあ、どこで〇ドアでも、駅弁とかないけど。
『ちなみに~に行きたいと思えば、すぐに移動できるって言ったけど、例えば誰かに会いたいって思った場合、国が転移可否か判断するの。
来た人の相手をできなかったら意味ないでしょ?』
ドラ〇もんの、いつもの、しず〇ちゃんみたいなもんか。
しず〇ちゃんはよくお風呂に入っていて、サービスショットになっている。
こっちの世界だと相手が万が一風呂に入っていたら、国がNGを出せばいいだけだもんな。
ちなみにその辺は視聴率に反映され、たとえば前にやっていた水〇黄門でも、50過ぎた女優の入浴シーンで視聴率が爆上げするっていうのをきいたことがある。
話しは、ずれたが行けない場合はどうなるんだろ?
『移転できない場合は、何も起きなくて、行けないって感じがするから都合悪いんだな~って思う感じね』
行けない感じがするんだ。
行けませんみたいなアナウンスがあるかと思った。
となると、急用がある場合とかは直接歩いて行った方が早いのか。
遠くの壺をみながら「遠いよな~」なんてつぶやく。
「そういえば、外をスイスイ移動したりは出来ないんですか?」
『出来るわよ。』
徒歩だけかと思ったけど、意外とできるもんらしい。
『普通に飛びたいって思えば、よっぽど不器用でない限り飛ぶことはできるわよ。
国が重力を管理しているから、落ちることもないし。』
そういや「の〇太君」もタケ〇プターを一番初めに使う時、コントロールできていなかったもんな~大丈夫かな?
試しに「飛べ」と考えてみる。
元々浮いていたが、身体がふわっと浮く感覚がした。
「お~!!」
感激したオイラ。
『「前に進め」とか後ろに行けとか頭の中で思ったらその通りに動くわよ。』
操作方法も簡単みたい。
そして「前に進め」と頭の中で思ってみたら、前にすすんだ。
え~前に進んだとも。
進みすぎて、距離にして数キロ先にあった隣の家(壺)が、数秒で目の前にあらわれた。
そして、隣の家(壺)の取っ手のところまであと数メートルのところで急停止した。
滅多にかかない汗がダラダラでる。
やべ~、異世界に来た当日に、また成仏するところだったわ~。
ただ、この未来世界は、事故らないように本当に国が徹底的に重力を管理しているんだな~と実感できたのは良かった。
あわててリカさんが追いかけてきた。。。
『すごい勢いで飛んで行っちゃったから、びっくりしたわよ。大丈夫?』
少し、シュンとしながら
「すみません。ご心配をおかけしました。大丈夫です。
どうやら飛ぶときのコントロールが下手くそだったみたいで・・・」
運動能力が、「のび〇君並み」のモブキャラです。
『おかしいな~。飛べない場合は、そこに留まる感じで急発進とかしないのにな~』
などとブツブツ言っている
もしかしたら、オイラは「のび〇君以下」なのかもしれない・・・
急なアクシデントで、少し汗をかいたので飲み物はないかリカさんに聞いてみる。
『「いわゆる飲み物」はこの世界には無いわよ?』
「え?どうやって生活していくの?」
人間、食べ物なくても水さえあればわりと生きていけるけど水がないと3日間であの世行き。
恐竜時代から地球に存在する人類の天敵であるGさんでさえ、水がないと一週間程度の寿命らしいし。
『水は、必要に応じて勝手に体内に入って来るわよ?』
「勝手に体内に入って来る?」と思うと、何やら喉から下にかけて物体の移動が感じられた。
むせそうなもんだが、そんなこともなかった。
たぶんこれは、色々考えられた水なんだろな。。。
でも、これだと喉が渇いた時にキンキンに冷えたアク〇リとかコ〇ラとか
ビールとか飲めない!
「水・・・っていうかジュースもないんですか?」
『(いわゆるジュース)みたいなものは無いわね~。』
「ビール・・・えっとアルコールは・・・」
『(いわゆるアルコール)もないわよ。
それこそ(いわゆるジュース)があった時代から禁止飲料として設定されていたんじゃなかったっけ?』
あ~アルコールも麻薬と同様の扱いを受けたのか~。
麻薬もアルコールも似ているとことあるもんな~。
日本は、昔酒税が税収の主流だった時代もあった関係で規制とかゆるゆるだけど、欧米では、アルコールって、けっこう厳しいのよね。
欧米の一部ではアルコールのCMが禁止されていたり、アルコールの販売時間が限定されていたり、アルコールの販売できる場所が限定されていたり、路上で飲めなくて、アルコールが飲める場所が限定されていたり、BARとかでも、アルコールの度数によって免許が違っていたり。
また、海外だと日本のように花見だわっしょい!
ってのが出来ないのが普通で、海外からすると花見だわっしょい!
をしている日本人の光景が珍しいから桜もさることながら、その光景を見るのも観光の一つになっているらしい。
アルコールをメインとする元居酒屋さんの店長としては、少しばかり寂しい限りです・・・
『そうね~「いわゆるジュース」は無いけど、ガムって思ってみて』
ガム?ってあのガム?とりあえずガムと思ってみた。
そうすると口の中に、何か美味しいものが入ってきた。
『口の中にガムが入ってきたでしょ?それを噛みながら水って思ってみて』
くちゃくちゃ噛みながら、水と思ってみる。
そうすると、これまで飲んだこともないような、めっちゃ美味しい飲み物を飲んでいる感覚になる。
『そのガムは、その瞬間、瞬間で体内で足りない成分とかが含まれていて、 その人の好みに合った味に自動的になるのよ。
だから味変なんかも出来るわよ。』
味変出来るガム、ある意味すごいな。
ガムは、噛んだら味が無くなって終わりだもんな~。
『また、国が身体の管理もしているから噛まなくても大丈夫っちゃ大丈夫だけど、普段咀嚼をあんまりしない生活だから、ガムを嚙むことが推奨されているわね。』
咀嚼をしない?
『そう、今では、ガムを噛むことが面倒っていって噛まない人も多いわね』
「ということは食べ物は?」
『あ~「いわゆる食べ物」は、この世界にはないわね~。
たしか、食中毒になったり、偏った成分を取りすぎて病気になったりっていうデメリットの面が大きく取り上げられてきて、だいぶん昔から、人それぞれにとっての栄養価的にバランスの取れた物質が自動的に体内に送られるようになったって聞いたことあるわ。』
まじで?
「食べ物」ないの?
『あ~でも食べた感とか咀嚼とか健康維持に大事だから、さっきのガムを噛みながら食事って考えたら食事をしている感覚になるわよ。』
え?ガムって甘いもんじゃないの?
っていうか、そこじゃなくて、そうじゃなくて、食事ってしないの?
ここにきて一番の衝撃だったかもしれない。。。
ためしに、ガムを噛みながらカレーを食べたい考えてみる。
そうすると何故だかほんとにカレーを食べている感覚になってきた。
たしかにカレーを食べている感覚になる。
このガムは、温度とかもその度に変化してくるので、ほどほどに熱い好きな風味な方のカレー。
美味しいカレーを食べている感覚になるんだけど、なんか違う・・・
なんか変な感覚。
「ちなみに、この世界には料理屋さんみたいなのってあるんですか?」
『え?(いわゆる料理屋)さんは無いわよ。
だって、食べるという行為は、この世界には無いから。』
「そうなの?えっと、食事って送られてくると思うけど、それってどっかで作られているんじゃないの?」
『そうよ。国が工場で作っているんじゃなかっけ?』
そうなのか~食べ物ないのか~凄いところに来ちまったと、改めて思ってしまう。
『転生・転移で来た人あるあるなんだけど、はじめは(いわゆる食べ物)とか(いわゆる飲み物)について驚くことが多いみたいね。
ただ、次の日には便利なものだな~って慣れているみたいよ。』
そういうもんなの?
やっぱり転生・転移してくる人って柔軟性高いんだな~。
オイラは、慣れるまで時間がかかりそうだ・・・