【第一章】~未来異世界転移編~ ③魔法と道具
『それから、この国の科学、魔法は飛躍的に発展してきたの。
それまで、この世界は平均すると10~20くらいの国で争いを続けていたんだけど、この国の科学と魔法の発展で戦争をすることなく8割方の国がマルス王国に恭順したのよ。
残っている国については、何かしらに特化した国になっているわ。
魔法に特化したところ、軍事に特化したところ、科学に特化したところなどね。』
へ~理想的な展開だな~。争いがなくてよかったね。
『科学と魔法の発展についてだけど、たとえば私の着ている服なんだけど、自動翻訳の機能がついている繊維を使っているの。
魔法でも翻訳って出来るんだけど、一部の人間や、一部の虫族とか生物的に魔法をつかえないものもいるから、科学で補っている感じね。』
なるほど、科学と魔法でお互いを補っている感じか。
『この翻訳機能のある繊維おかげで、他の言葉を理解できない脳の小さい虫とか、脳の無い植物、あなたたち異世界人とも会話することができるの。
また、翻訳の魔法を持っていない同士でも、それらの身体に繊維を付着させたりするだけで、会話できるしね。
まあ、脳の小さい虫とか脳の無い植物との会話は、出来るとか出来ないとか暑い寒いとかその程度だけどね。』
虫とかと喋れるのか~。面白いな~。
「翻訳の魔法ってあるみたいですけど、オイラも魔法って使えるんですか?
空とか飛んでみたいんですけど。」
少しわくわくしながら聞いてみた。
この世界には魔物はいないようなので魔法でバッタバッタ魔物を倒すなんてことはできないかもしれないけど魔法で空を飛んだりすることはできるかもしれない。
『たぶん使えるわよ。まあ、空は魔法なくても大丈夫だけど・・・
ただ、魔法を使うには一回検査しないといけないわ。』
「え?空を飛べるんですか?タケコ〇ターみたいなやつつける感じ?
あ、タケ〇プターって、こっちの世界まんがで空を飛べる機械みたいなやつなんですけど」
『道具つけて飛ぶって、石器時代じゃないんだから・・・
まあ、空は外に出たときに教えるわよ。』
ドラ〇もんが石器時代・・・
まあ、後で教えてくれるっていうし、気を取り直していこう。
検査って魔法適正みたいなやつかな?
水晶とかに手をかざして〜みたいな。
あとは、暴力属性があるかとかかな?
そこら辺を聞いてみると
『たしかに魔法適正みたいなのあるけど水晶なんて面倒なことしないわよ?』
水晶じゃないとなると、機械的なやつで調べるのかな?
それはそれで楽しそう。
「どうやって検査するんですか?」
『どうって、国が自動的に・・・まあ、やってみたらわかるわよ。
あと検査するのは、暴力属性があるとか犯罪属性があるかとかもあるけど、基本的には魔法に耐えうる身体を持っているかね。
だいたいの人は大丈夫だけど、たまに、まったく使えない人もいるから。
そういう人は、科学の力を使って暮らしていく感じね。』
お~どんな人にも優しい社会だと、ちょっと感動
『あと、魔力量の測定なんかもあるわよ。たまに魔力量が低すぎて
少し魔法を使っただけで倒れちゃう人もいるから。』
魔力量とかアレだ。
小さいころからいっぱい使っていると、どんどん増えるみたいなのは、小説とかアニメでよく見る。
ということは、すでに成人しているし、そんなに無いのかな?
疑問に思って聞いてみると
『魔力量は、特に小さいころから使っているとかの条件じゃなく、単純に天性のものね。
実際むかしに転移してきた人が同じようなことを言っていたから試したけど、そうじゃなかったみたいね。』
既に試されているんだ。さすが転生・転移者が多い世界だけあるな~
「そうなんですね。測定後、仮に合格したら魔法をどんな感じで覚えるんですか?」
『申請して検査が大丈夫だったら、だいたい翌日くらいから使えるようになる感じね』
申請して翌日から使えるって、なんか運転免許みたいだな。
たしかに何もしないで覚えられた方が楽だし現実的だな。
あと申請か。一緒に申請に行ってくれるかな?
「申請ってどこにするんですか?
出来れば、一緒に行ってくれるとかありがたいんですけど。
あと、特に住民の登録なんかもしていないですけど大丈夫ですか?」
『あ、そうか、みやび君は、まだこの社会に登録されていないんだっけ?
代わりにやっておくわね。ついでに検査もしてもらうわ』
「え、どこで?」
何やら身体がふわっと浮くような違和感が生じる。
思わず「おわ!」と声をあげて、滑ってしまった。
滑った勢いで後頭部から頭をぶつける・・・
『大丈夫?』
心配そうにリカさんが覗き込む。
「いててて・・・だ、大丈夫です。
いきなりふわって浮く感じがして驚いてしまいました。」
そうこうしているうちに、リカさんは顔をあげ
『あ、どうやら登録は完了したみたいね。』とつぶやいた。
ん?登録が完了?
「え?この世界の登録とか、どっか役所的なところに行って行うんじゃないんですか?」
異世界転生ものの定番は、ギルドとかに行って登録する感じだが、この世界はそういうのなさそうだし
『あいかわらず旧石器時代みたいな考え方ね・・・
まあ、旧石器時代から来たんだものね。
そう思うのもしょうがないか~・・・
そうね全て国が魔法やら科学でチャッチャっとやっちゃうから大丈夫よ。』
石器時代って、地球って一応文明のそこそこ発達していると思うんだが。
というかドラ〇もんの道具のことを言ったら石器時代だったけど、旧石器時代になっている・・・
リカさんは、ちゃんと判断しながら石器を使い分けているのか?
しかし、せめてドラ〇もんのいた世界くらいの科学水準があった世界から来た方が、この世界にあわせやすかったんだろな~。
って、ドラ〇もんのいた22世紀も石器時代呼ばわりされているけど、少し自信なくなってきたな・・・
まあ、来てしまったものはしょうがないので、この世界はすごく発達した社会で、日本とは大違いという風に考え直した
「そうなんですね。もしかして検査みたいなのも魔法とか科学でチャッチャっとやる感じなんですか?」
『検査は登録が終わってから、みやび君自身で検査登録を行う必要があるのよ。』
意外と自分自身でやるらしい。
「え、でもオイラは、何もできないですよ。」
はい、魔法も何も出来ない、ただのモブキャラです。
『大丈夫。検査してくれって思ってみて』
え?思う?まあ、言われた通りに試しに思ってみる
そうすると、頭の中にデジタル音声が流れてきた
【ご連絡ありがとうございます。これから、みやび様の各種検査を行います。
気持ち悪くなったり、体調が悪くなりましたら、ただちに中断して回復処置を行いますのでご安心ください。それでは検査を行います。】
と、頭の中で流れると、急に目の前が暗くなった。
どれくらい時間がたっただろう。。。
目を開けてみると、目の前に超キレイなお姉さんりかさんが立っている。
どこかで見た光景だ。けっこう時間かかったのかな?
「あの・・・どれくらい時間が経ちました?」
『え?3秒くらい?』
3秒・・・数日間寝込んでいると思っていたわ。情緒を返せ・・・
そう思っていると、直ぐにデジタル音が流れてくる。
【検査結果をご案内いたします。みやび様の各種属性については、問題ございませんでしたが、魔法適正はございませんでした。
そのため、科学省よりご案内がございます。】
検査結果が出るの、早いな~。
じゃなくて・・・まじ?魔法使えないの?と少し落ち込んでいると
『どうだった?』
リカさんが顔を覗き込んでくる。
「どうやら魔法適正はなかったみたいです。
なんか科学省から案内があるみたいです。ははははは・・・」
乾いた笑いをしていると、リカさんはうらやましそうに
『え~めっちゃラッキーだね~。道具使い放題じゃん。』
道具使い放題?と思っていると
『そう、この世界は一般的には魔法適正がある人がほとんどだから、自分の魔法を使って、だいたいの物事を行うの。
みやび君みたいに魔法適正がなかったら国から支給される道具を使って生活することになるの。
ただ、魔法使えるのはいいけど疲れるし、魔力量によって使える時間とか量とか限られてくるの。
まあ、どうしてもって時は、国から道具を借りることもできるけど、頭の切り替えがめんどくさいのよね~。
それに対して魔法適正がない場合、国から支給される道具を使うことになるんだけど、魔法と違って、道具を使うだけだからどんだけ作業を行っても疲れないのよ。
大きなアドバンテージね。』
そうか~と、魔法が使えないショックと、うらやましがられる状況のギャップに多少混乱しながらもドラ〇もんの四次元ポケットみたいなもんでも支給されるのかな?なんて思いなおした。
「ちなみに魔法適正があった場合、次の日から魔法が使えるみたいですけど、どうやって使えるようになるんですか?」
『そうね。魔法は魔法適正が大丈夫と判定されたら、次の日から自動的に使えるようになっているから何にもしなくていいわよ。』
少し驚いたオイラは
「え?魔法ってなんか修行とかイメージトレーニングとか訓練とかするのではなく?」
『そうよ。だいたい、なんでそんな効率悪いことするのよ。』
修行が必要とかジャ〇プの読みすぎかな?
たしかに修行すれば強くなるだろうけど、強さの膨張が止まらなくなり結局強さにインフレが起こって、最終的には、神様の10個くらい上の存在と戦って、つまらなくなってっていうのが定番だしな。
「ということは、何にもしないでも勝手に使えるようになるんですか?」
『そうね。何にもしないで勝手に使えるようになるわ。
何かするのは国の方。
魔法申請した後、その日の夜、眠っている間に魔法のデータが脳に転送されて使えるようになるわよ。』
「え?データって、頭にですか?」
『そうよ。脳に(いわゆる機械)とかを入れるわけじゃなくて、あなたの世界だと、(スマホ?)で色んなデータをダウンロードして(いわゆるゲーム)をするでしょ?
それと同じで勝手に頭の中にデータを入れて魔法が使えるようになるわけ』
少しばかり恐怖におののくオイラ・・・「それ大丈夫なんですか?」
『別に大丈夫よ。魔法が使えるようになるだけで、何にも変わらないし。
むしろワクワクして寝れない人も多い感じね。
その辺の魔法に対する期待は、みやび君と同じだと思うわよ。』
なんか頭の中が改変されるの怖いな~。
でも普通に考えてみると、よくある、なろう系小説とかでもレベルアップしたり、色んな魔法が使えるようになるみたいなのも「何かしら」が勝手にその人の経験値やレベルを判定して「何かしら」がその人の身体を勝手に改造して、色んな魔法とかスキルを使えるようになっているってことだもんな~。
その後、例えば食っちゃ寝の生活をしていても筋力は落ちなかったりレベルが落ちなかったり。
一言で言うとご都合主義ではある。
ご都合主義ではあるけど、まあ、納得感のある、心地よいご都合主義だから受け入れられている感じなんだろな。
それが現実社会になると、こういう感じになると。
また、魔法を簡単に使えるようになるのは、たしかにメリットよね。
ただ、何となく、小説の世界観がどんどん崩されていく気がする。
そうしていると頭の中にデジタル音声が流れてくる。
【こちらは科学省です。魔法適正がなかったようなので、これからの手続きについてご案内いたします。】




