【第二章】~禁止エリア編~ ⑪脱出 ~竜宮城~
次の日、眠い目をこすりながら起きて外に出ると、皆さん勢ぞろいしていた。
定吉さんたちはじめ、それぞれのご家族さんたちも勢ぞろいだ。
そんな中、キューポーさんが【みやび殿、話しがある。】と重めな口調で言ってきた。
オイラもただ事じゃない感じだな~と思いながらキューポーさんのテントに入っていった。
キューポーさんは語りだした。
【どっから話そうかの~。
みやび殿がこちらに来た時に、国主様が幽霊から人間に変身したころから何となくわかっていたんじゃが・・・】
「はい」
【普通の変身魔法は、他人からの見え方を変更するものじゃと思うんじゃが、みやび殿の魔法で、国母様の姿を変えた後、宴会をしたじゃろ。そこで、国母様は幽霊にも関わらずお酒を瓶ごとラッパ飲み・・・ん、お酒や食べ物を飲み食いをされていた。】
「そうですね・・・。」
【そこから、恐らくみやび殿の変身魔法は、存在そのものを変形させるものかと思った。】
まあ、魔法ではないんですけどね・・・。
【恐らくじゃが・・・みやび殿の魔法で我々を動物に変えて、あの亀に乗ることも出来ると思う。】
「・・・。」
【我らも家族含めて話し合ったんじゃが、儂らがあちらの世界に行ってから帰ってくると、この子たちもお爺ちゃん、おばあちゃんになってしまうし、こいつらも会えなくなるかもしれん。】
「・・・。」
【そこで皆であちらの世界に行くことも考えたんじゃが、あちらの世界で儂らは、多分色々「不味い存在」になるじゃろうし、こいつらの住んでいた世界と大分異なるもので、こいつらも不安がっておる。】
まあ、異世界人でも快適に暮らせるくらいな文明だから大丈夫だと思うけど、キューボックさんは射殺されたことになっていたり、定吉さんたちは何千年も前に行方不明になっていて、さらに絵本にのるような偉人になっているからな~・・・
【じゃから、儂らはここに残ることにしたよ。村の住民たちも亀退治のための合同訓練に協力してくれたりしていたり、気のいい奴らじゃし、こいつらと最期まで一緒におりたいしな~。】
やはり家族ってええな~・・・と、ほんのり涙するオイラ。
「わかりました。」
レイコ~さんを見てみると・・・
・・・
鼻くそをほじっていた。。。
・・・
オイラの感動を返せ・・・
そんなこんなで、オイラとレイコ~さんは明日帰ることにして、村民のみんなと大宴会を開くこととなった。
~~~大宴会~~~。
見た感じ、定吉さんの奥さんは・・・タイだな。
タイときたら、キューポーさんの奥さんは・・・ひ・・・ヒラマサ。。。
そんで、ルシファーさんの奥さんは・・・ひ・・・ヒガンフグ。。。
ヒガンフグのヒガンは、食べると彼岸(あの世)に行くっていうくらい毒性が強いらしい。そのためか、ルシファーさんの奥さん、何となく気が強そうに見える。
キューボックさんが遅れて奥さんと遅れて入ってきた。
奥さんは・・・ヒラメだな。。。
そして別れの舞いということで、それぞれの奥さんたちが、伝統の音楽で踊りだした。
どっかの童謡にあったみたいに鯛やヒラメが舞い踊っている
・・・
うん
・・・
ヒップホップ(伝統の音楽)だね。
・・・
定吉さんの奥さん(タイ)は、ロボットダンスしている。
キューボックさんの奥さん(ヒラメ)が、ブレイクダンスしている・・・
ルシファーさんの奥さん(フグ)が、ヘッドスピンしている。。。
キューポーの奥さん(ヒラマサ)は、頭抑えながらムーンウォークしている・・・あ、「ぽ~!」って言った。
どっかの童謡じゃない状況に動揺しながらタイやヒラメの踊りを見ているみやび君。
他方
姫も鼻くそほじりながら、酒をラッパ飲みしている・・・。
そして、『よし』と言うと、タイやヒラメの踊りにつられて、姫が踊りだした。
ただ、酔っぱらっているのか元の大きさに戻っている。
巨人の美女の舞い。
ここにいた皆が見惚れている。
レイコ~さんの舞いは、愛しさと、切なさと、心強さを同時に表している感じがする。
流石、年の功というやつだな。
そう思うと、レイコ~さんがギロっとにらんできた・・・
表情で分かるとは、流石、年の功というやつだな。
オイラはそんな中、キューポーさんと話している。
【いや~過ちを恐れずに、この世界に入ってきたみやび殿たちは凄いよの~】
「そんなことないですよ~。でも、何故だか、あの世界は何故かルールを守ることに固持しているんですよね~。」
【そうなのか~。わしらの時代には、そんなことなかったがの~。ところで、あっちの世界に、コレがおるんじゃろ?】
と、小指を立ててくる。この辺は万世界共通なのか?
【そんで、あっちの世界でも、進むあなたを涙は見せないで~みたいな感じで悲しんでいる人がいんじゃろ?】
ニヤニヤしながら聞いてくる。酔っぱらっているのか、言っている内容は、よくわからんが
「いやいや、いないですよ~。元々いた世界では彼女もいたんですけど、浮気されまくっていましたよ~」
頭を掻きながら答えるオイラ
【お~そうなのか~ならば、この村にも適齢をむかえた・・・】
「ありがとうございます。だが断る!!!」
即答するオイラ。
ルッキズムではないけど、魚と人間みたいに種族が違うとな~。
ただしエルフは受け入れる!キリ!
あっちでは、レイコ~さんと定吉さんが喋っている。
『しかし、そなたたちも凄い決断をしたの~。本当は戻りたかったんじゃろ?』
〈そうですね~。合同訓練を始めたころは、たしかに戻りたい気持ちが大きかったんです。〉
『そうじゃろうな~。』
〈ただ、合同訓練やここでの生活をしていくうちの~、こちらでの生活も悪くないな~と思い始めていたんですよ。特に家族が出来てからは、その思いが強くなってきました。〉
『家族か~。』
〈ただ、すでに始まってしまった合同訓練。儂らの我儘で突き合わせてしまっているので、そういう思いは封じ込めるようにしないとと思い合同訓練も激しいものになってきました。〉
『たしかに結構はげしかったの~。』
〈はい。怪我については、ルシファー殿の魔法などで回復は出来るんですが、やはり身体も年々きつくなってきますし。。。そういう時に、国母様たちがいらっしゃったんです。〉
『そうじゃったんじゃな』
〈そこで元の世界に帰れる可能性が出てきたことを知りまして・・・でも、やはり家族というものは大事でして・・・それぞれの家族で話し合うことになったんです。〉
『そんなことがあったんじゃな。』
〈そして皆で集まって、それぞれの家族で話し合ったんです。儂も奥さんからあなたの出した結論を信じてる。あなたを信じてる。って言われての。。。〉
定吉さんが頭をかりかりかいている。
〈それで、改めてあいつへの思いを実感しまして、ここに残る結論を出したんです。〉
『そうか。』
〈その結論をみんなに言うのに、非難されるんだろうな~と覚悟していたんですが、結局は、俺も!俺も!俺も!どぞ~みたいな感じで、みんな結論が同じ。思わずみんなで笑ってしまいました。そして、村民たちも私たちの結論を受け入れてくれました。合同訓練など、危険なことをもう二度とくりかえさずに、もどらずに生きることを、村のみんなが認めてくれたんです。〉
『覚悟は決まったんじゃな。』
定吉さんは、しっかりした目で〈はい〉とうなずいた。
他の方面では相変わらずルシファーさんが泣きながら、キューボックさんと話している。いいコンビだな~。
あなた、皆さんとのお別れなんだから、涙は見せないでいきましょうよ!
奥さんも励ましている。奥さんも気が強そうに見えるけど、とても思いやりのある感じだ。いい夫婦だな~。
~~~翌朝~~~
結構飲んだけど、わりとスッキリとした朝だった。
朝食を食べ、元の世界に帰る段になりキューポーさんから、お土産をいただく。
【大したもてなしも出来なくてすまんの。これは心ばかりのものじゃ。今後、こちらに来るときは恐らく・・・儂等はいなくなっているじゃろ。じゃから、こっちに来ても皆が受け入れるようにした、いわば身分証みたいなものじゃな。】
と、カードのようなものをくれた。レイコ~さんも貰っている。
オイラはカードをポケットに入れると、【あと、これは、あっちに戻った時に開けてくれ。】
と、箱を貰った。何やら厳重に包装されている箱だ。しかも結構大きい。
「これは?」
【いや、なに、あっちに戻っていたっ時のお楽しみじゃて。】
「・・・わかりました。あっちに戻ったら開けてみますね。」
皆さん何やらニヤニヤしている。何だろ?
そうして皆さんに別れの挨拶をして、レイコ~さんと共に鳥の姿になった。
鳥の姿になって亀の近づくと、バリアのようなものを通り抜ける感じだった。
おそらく人間がくる都度バリアを張るというよりかは、通るものを取捨選択できるバリアってことなんだろな。
そうして亀の尻尾付近にある洞窟のようなところに入っていった。
そうすると、すぐのところに案の定、魔法陣がある。
ここに入れば元の世界に戻れるんだな。
オイラとレイコ~さんは、人間の姿に戻り、魔法陣に乗った。
そして、つくとここは・・・牢屋???
ここから少しお休みいただきまして、お盆くらいに再開します。




