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【第二章】~禁止エリア編~ ⑩むかし~むかし~浦島は、助けた亀に連れられて~♪

 ???どういうこと???と思っていると、ルシファーさんがオイラの身体を思むろに抱え上げて、飛び上がった。


「うわっ」


 オイラは思わず声をあげるけど、高度はどんどん高くなってくる。

 ルシファーさんに持ち上げられ高度が上がってくると全体像が見えてきた。


 岩山と思っていたのは


「これ・・・でっかい・・・亀・・・ですよね?」


{そうだ。亀だ。}


 流石異世界、こんなでっかい亀がいるんだ。


{昨日地震を起こしたのは、この亀が移動したからだ。}


 あ~こんなデカい亀が移動しているなら、そりゃ揺れますわな。

 ってか、亀なのに夜行性なんだ。


{そして元の世界に戻る方法もこの亀にある。}


 ???どういうこと?オイラは首をかしげる。


{ちょっと移動するぞ}


 ルシファーさんはそう言うと、でっかい亀の後方に移動した。


{ほら尻尾の付け根あたりに、くぼみがあるだろ}


 たしかに、くぼみみたいなものがある。

 めっちゃ高い高度から観察しているので正確な大きさは不明だけど、ちょっとした洞窟くらいの大きさがある感じだ。


{恐らくあのくぼみの中に、あっちの世界へ戻れる魔法陣があるんじゃないかと我々は考えているんだ}


「あ~あのくぼみの中ですか・・・でも、どうしてあのくぼみの中にあると?」


{私たちは、ここ数十年、この世界をくまなく探し回り、私の魔法を使って、あらゆる洞窟などを調査した。しかし元に戻る魔法陣はなかった。そして残ったのは、あの亀ということだ}


「そうですか・・・っていうか、この世界、すべて調査したんですか?めっちゃ大変そうですけど。」


 ルシファーさんは、少し胸をはって


{そうだ。この世界をくまなく調査した。どうにかして帰りたかったからな。その結果、この世界には、色んな気候、色んな文化、色んな種族がいることがわかった。}


 こっちの世界も魚以外に色んな種族がいるんですね。少しほっとした。


{色んな気候、色んな文化、色んな種族がいるんだが、それぞれを尊重して、争うことなく共存している。おそらく生存するために協力せざるを得ないってのもあるんだろうが、この世界の人間は根本的に凄い平和的なものを持っていると考えている。}

 

 やっぱり平和が一番ですよね。


{当然、この亀を含めて色んな魔物などもおるが、協力して倒したりもしている。キューボック殿に聞いたが、あちらの世界も文化などが発達して今は争うことなく平和に過ごしているようじゃが、このような原始的な世界でも、そういうことは可能なのじゃ。}


 少し誇らしげなルシファーさん。

 あっちの世界とこっちの世界とで、好対照な文化な感じだけど、結局は考え方次第で平和に暮らしていけるんだな~と改めて思う。


{話しを戻して、調査がてら色んな種族で色んな伝承なども聞きまわっていてな、中には奇跡的にあの亀に乗ったという伝承も色んな種族で、伝えられている。色んな伝承はあるが、総じて亀に乗って、その後、色んな奇跡が起こったとのことだ。}


「どんな奇跡が起こったんですか?」


{病気が治った、飢饉が起こるくらいの悪天候だったが、それが回復したとか、色々あるらしい。}


 すごいな~。亀に乗るのはいいけど、どうやって帰ってきたかも知りたいところだな。


 でも伝承があるくらいなら、あの亀なら直ぐにでも乗れそうだけど


「あの亀ってあれだけ大きいから、どっかからは入れたりしないんですか?」


{さっきあの亀のところまで行ってわかると思うが、我々みたいな人間があの亀は近づくとすぐにバリアのような魔法を行うんだ。そのバリアはどんな魔法もきかない。特にこちらに攻撃してくることはないんだが、その分、スキもなく攻略することは凄く難しい。}


 確かに攻撃を仕掛ける時が、もっともスキができるってい言うもんな~。


{夜に動くので夜行性かと思い、寝ている昼間に色々攻撃を試しているんだけど、その都度、自動的にバリアが出てきて近づくことができない}


 ふむふむ。


{魔力を持った人間や害意を持った人間や害意がなくても普通の人間が近づくと、すぐにでもバリアが張られる。逆に、鳥とか動物なら入れるんだがな。}


 ルシファーさん、最後に爆弾発言を行う。


「ほ~鳥なら入れるんですか・・・」


{ほれ、あの甲羅の横のところを見てみい。鳥が巣を作っているじゃろ}


 よく見てみると、確かに鳥が巣を作っている。

 巣の中でヒナが口を開けているようにも見える。

 というかこの高度から見てあの大きさだと、たぶん、めっちゃデカい鳥だな。

 というか、あの鳥の形、あれだ。来たときに見た戦闘で飛んだ手を加えていった鳥だ。

 小鳥を育てるためにどんなものでもヒナに与えないといけないのか。

 鳥も生きていくのに必死なんだろうな~。


{そのため、我も鳥に魔法で変身して近づいたこともあったんじゃが、バリアで途中から入れなかった}


 鳥に変身って、ルシファーさん、鳥(人間)ですよね・・・と突っ込むことは野暮なんだろう。

 やはり魔法での変身だと中身は変えれないんだな~。


{それで、亀に侵入することはできなくてな、もう亀というか亀のバリアを壊すしかないと、色々な魔法をはじめ色んな方法を使って攻撃したんだが、うんともすんとも言わない。

 その対策といっちゃなんだが、魔法がきかないなら、亀のバリアに少しでも物理的に打撃を与えようと、最近は二手に分かれて合同訓練を行っているということだ。}


 あ~それであんな原始的な感じで合同訓練を、していたんだ。

 合同訓練といっても、鳥が飛んでった手をくわえていたし、結構な怪我とかをしている人もいたし、すごい本格的。

 ただ、そのおかげでヒナも育っていると。

 まあ、飛んだ手は魔法とかで治すんだろうけど、人間的にも痛いことには変わりないだろうしな~。


「それであんな大変な訓練をしていたんですね。」


{そうだ、ほとんど無駄なことだとはわかっているんだがな~。ただ、その辺を考えているわけではないが、最近ではここでの生活も悪くないものと考えている。}


「そうなんですね~。」


{だからここだけの話しになるが、みやび殿も、ここにいる人間たちと子孫を作って幸せに暮らしていくのも悪くないと思うぞ}


 う~ん。ここの人間は、たぶん性格とかはいいんだろうけどな~、顔が魚か~・・・

 せめて人魚みたいに顔と身体が逆なら異世界ゆめって言う感じもするんだけどな~。

 ただ、この世界も色んな種族がいるって言うし、万が一帰れなかったら、そこに期待するのも悪くないかもしれない。

 

 とりあえず帰ってから、レイコ~さんと少し相談するか。


 帰ったら、レイコ~さんが輪の中心になって、嬉しそうに現地の人間と話していた。


『お~みやび、帰ってきたか。こやつら面白いぞ。ほとんど昔の人間と変わらぬ生活を送っておる。ものは物々交換みたいじゃが、食べ物も旨いし、人間味もある。平和じゃし、この世界も悪くないの~。』


「そうですか~」と返答しつつ、なんか言いにくいな~なんて思いながら、小さい声で


「あの~多分ですが、脱出方法が分かりました。」


『なんじゃと!』


 レイコ~さんは大きな声をあげたのでみんな振り向く。


 なんとかごまかしつつ「その方法はまた後で・・・」とレイコ~さんに小さな声で伝える。


~~~その夜の宴会後~~~


『それで分かったとはどういう事じゃ?』


 レイコ~さんは昨日は久々(数千年ぶり)のお酒だったためボロボロだったみたいだが、本来は蟒蛇なのか、昨日より飲んだのに、ぴんぴんしている。

 

 オイラは連日のお酒で頭がふらつくのを抑えながら


「うっぷ・・・たぶん、レイコ~さんも、あのでっかい亀に入ったら帰れるかもしれないって聞きましたよね?」


『そうみたいじゃの。でも入る方法が無くて困っていると。そのため何とか打破しようと合同訓練もしているみたいじゃの。』


「そうみたいです。ただ、あのでっかい亀って、人間は入れないみたいなんですけど、鳥とか動物は入れるみたいなんですよ・・・」


『なんじゃと!』


 言わんとすることを一言で理解するレイコ~さん。


「ルシファーさんが鳥に魔法で変身して入れなかったみたいなんですけど・・・っていうか元々鳥なのに鳥に変身って思いましたけど、それでもはいれないみたいで。オイラの魔法は存在そのものを変化することが出来るので、たぶん亀に乗ることはできると思います。」


 少し考えだすレイコ~さん。


『問題は、「時間」じゃの・・・』


「そうなんですよね~・・・」


 オイラも溜息をつきながらうなずく。


 この世界は、前の世界より進む時間がとても遅い。

 数百分の1だか数千分の1だか。

 たとえば、ここからあっちの世界へ1日いっただけで、こっちの世界では数年たってしまう。

 この世界に「家族」を作った彼らにとって、数日間、家を空ける程度なら問題はないだろうけど、数年~数十年という単位で家を空けるということは、とても辛いものになる。

 これまでは前の世界に帰るということを目的にしていただろうけど、家族が出来てしまうと、行って帰って来るだけで、数年~数十年離れるというものは耐えられないだろう。

 ルシファーさんも、それが分かっていて、こっちに骨を埋めるつもりなんだろうと思う。

 前の世界に帰るために本格的な訓練を行っているけど、うまく行ってほしいけど、うまくいってほしくないみたいな、精神的に様々な葛藤を、それぞれの人間がしているんだろうな~。

 そこで急に来た人間が帰れますよ!って言ったら、彼らの心的なハレーションが大きすぎると考えるわけで。


 二人でどうしたもんかね~と頭を悩ませるのであった。

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