【第二章】~禁止エリア編~ ⑧人間と幽霊と鳥とタコ ~こう見えて、わたし実は・・・~
テントの前に人影があらわれ、背の高いタコがぬっと入ってきた。
《じいちゃん、どうした・・・って、どちら様?》
背の高いタコさんは、ゲジゲジTシャツを着ているオイラ達を見てキューポーさんに聞いてきた。
【こちらは、国母様と、そのおつきの者だ。】
レイコ~さんを向いて、そう答えるキューポーさん。
ちなみにレイコ~さんは、応対がしやすいということで、美少女バージョンに変化している。
あと、キューポーさんってじいちゃんって呼ばれているのか。
人間のオイラにはわからないけど、タコの人相的に老人なんだろな。
たぶん。
この背の高いタコさんにとっては、ひ~じいちゃんくらいの年かな?
《コクボ様?》
あ、背の高いタコさんが、オイラと同じ反応している。
【キューボック、国母様ってのは、国王様の母上のことだ。知っておけ。】
《あ~そっちの国母ね・・・って、ガキ・・・いや少女じゃん。》
キューポーさんはあわてて
【国母様は、私どもと応対しやすいように、おつきのものの魔法によって、こちらのお姿に変形されているのだ。本来は巨人族であられ、とても大きいのだぞ。】
美少女は、フンと!(無い)胸を張っている。
背の高いタコさんは、やはりキューボックさんだった。
でも、キューボックさんは、オイラと違って反応は薄い。
キューボックさんの時代でも国王のお母さんとかいたんだろうけど、そういう概念的なものは薄かったんだろうな~。
というか少女が国母と呼ばれても実感がわかないんだろうな~。
また、さっきキューポーさんの言っていた子孫は、やはりキューボックさんってことだな。
キューボックさんも、こっちの世界のwikiみたいなのに載っていたくらい有名人。
たしか銃殺されたことになっているんだよな。
まあ、こっちの世界のwikiさんに、あの魔法陣のあったところも銃殺するから入るなみたいに騙して書いていたことだし、あっちの世界にとっては、こっちの世界が不都合なんだろな。
【あと、こちらの若い国母様のおつきの方は、みやび殿と言って、こんな若いのに、国母様のお姿を変形させたり凄い魔法使いであられる。】
ん?若い?オイラ最近年のことは考えていなかったけど、中年だぞ?
「どうも、国母様のおつきのみやびと申しま・・・って若くないですよ(笑)もう既に中年ですよ。」
笑いながら答えると
『《【え!】》』
3人が一斉に声をあげた。
レイコ~さんが呆れたように
『みやびくん、どう見ても10代後半、年が上に見られても、せいぜい20歳そこそこの見た目よ』
「え?」
そういえば、こっちの世界に来て鏡見たこと無かったなと思い、あわててキューボーさんに鏡を借りて自分の姿を見てみる。
そして鏡を見てみると、ほんとに若い。
顔は日本人なだけに和テイストなんだけど、どことなく洋風になっていて、前より若干イケメン君になっている・・・気がする。
すっかり姿とかそのままで転移したものと思っていたけど、これは転生?したのか?
いかにも的な異世界転生ものになってきたぞ。これ。
こっちの異世界もそんな感じだし。
自分にタイトルつけるとしたら、「異世界転生。しかし能力はない(キリ!)」みたいな感じだろうか。
まあ、それでも色んなことが腑に落ちたな。
まず、キューポーさんに会った時からあんま信用されていなかったのは、見た目が若かったから。
さっき巨大猿から追いかけられて、焼き鳥になりかけたけど、逃げ切れる体力があったのは若かったから。
リカさんが、そこそこかまってくれていたのも同年代だから。
ヒップホップのライブにも行ったしな~。
そして朝も夢見からして元気・・・げふんげふん。
色んなことが腑におちたところで、気になっていることを聞いてみた。
「いくつか疑問があるんですが聞いてもいいですか?」
【おう、どんどん聞いてくれ。でも、こうなってくると、他も呼んだ方がいいじゃろ。キューボック、訓練は中止して、あの者たちを呼んでまいれ】
キューボックさんはパッと顔が明るくなり
《じいちゃん、わかった。でも、ちょうどよかったよ。こういう恰好とか口調とか、なんかなじめないんだよな~》
~~~数時間後~~~
このテントにいるのは、幽霊(美少女)×1、人間×2、タコ×2、鳥×1と、なかなかバラエティに富んでいる。
もちろん、タコといってもタコはタコ型人間だし、鳥は鳥型人間だし、人間は人間だ。まあ、一部人間じゃない熟女幽霊(美少女)もいるが・・・。
まず自己紹介からはじまった。
【このお姿を見てわかるものもいると思うが、こちらにおわすのが、国母様である。一応すでに亡くなっており幽霊となっておられるが、おつきの者の魔法によりこのお姿になっておられる】
そう聞いた鳥さんと人間さんが、ばっと膝まづく。
それを見たキューボックさんもあわてて膝まづいた。
『皆の者数千年ぶりじゃの。くるしゅうない。ひょんなことから、こんな場所に来た同士じゃ。お互い仲良くしようぞ。』
そうそう、これこれ。一応国母様だからこんな感じの反応だよね。
この辺は、キューボックさんとやっぱり時代が違うからかな~。
【おしてこちらにいる、おつきの者はみやび殿と申す。】
今後この世界に、ずっといるかもしれないってことで、第一印象は大事だよな~と少し真面目に
「みなさんこんにちは。先日、違う世界にある日本と言う国から、あちらの世界へ転生したてのみやびと言います。まだ転生してから数日ですけど、何故だか、また違う異世界であるこちらに転移しちゃいました。
年齢は一応中年ですが、こちらの世界に転生するときに若くなったみたいです。」
この自己紹介に食いついてきたのが、やはりこの方。
〈え!日本からですか!どうりで見た目が我々と近い。というかさすが異世界というか、時間軸がバラバラですな。〉
なんか苦笑いしている。
〈そして、私の国はかつての日本のあった場所も含む国である、セントラル国ってところです。〉
「え?日本なくなっちゃったの?」
思わず聞き返してしまった。
〈そうですね。
日本は隣国から攻められたりすることが度々あったみたいですが、その都度、軍隊が優秀で防いでいたみたいです。
ただ、たしか私が生まれる500年くらい前に世界的な戦争とか合併とか繰り返す時期があったみたいで、その時に日本は数か国と連合を組んで結果合併することになり、セントラルという国になり、日本という国じたいは、なくなったことになっています。
ただ、日本のあった場所は、日本自治区として高度な自治権を有する地域となっていて、ほぼ国と変わらない感じで運営されています。〉
そうなんだ~、未来のこととはいえ、日本は無くなっちゃうんだ~。
けっこうショックな感じだな~。
でも未来の日本から来たってことは
「あの~間違えていたら恐縮なんですが、もしかして定吉さんですか?」
〈そうです!よく分かりましたね!〉
少し驚いている様子である。
「そうですか。あっちの世界に一番最初に転生した人間で、色んな技術を伝えたってことで定吉さんは、絵本になるくらい、あちらの世界で有名人ですよ。
あ、キューポーさんも絵本に載っていますよ・・・って、さっき言いましたね」
〈そ、そうなのか〉
「そういえば、日本から来たって絵本には書いてあったみたいですけど、セントラル?っていう国になっているんですよね。なぜ日本からと」
定吉さんは、よくぞ聞いてくれたという表情で
〈そうじゃ。セントラルという国になっているが、儂は日本自治区で暮らしておった。そこであっちの世界に転生した感じになったんじゃが、、、転生する際に、神様からなんか色々言われて・・・まあ殆ど忘れてしまったが、儂の学んだ日本の技術を異世界で活用してほしいと言われたことは何故かくっきり覚えていての~。それで、日本の技術の元である日本から来たと伝えたのじゃ。〉
へ~神様は、定吉さんには、しっかりやるべきことを伝えたのか~。
オイラは、何かやる前にこっちの世界に転移してきてしまったけど、定吉さんの方が未来人だし、知識もあるだろうし、こっちの世界で、なんかやるべきことあるのかな?
{わ、われは?}
鳥さんが焦って聞いてきた。
「え~っと、この流れでいうとルシファーさんですか?」
{そ、そうじゃ、ルシファーじゃ!}
「そうですよ。ルシファーさんも絵本になるくらい有名人ですよ。」
ルシファーさんも何だかほっとした様子。
「たしか色んな魔法を伝えたとかで、あっちの国の魔法の始祖みたいな感じになっていますよ。」
{そうかそうか}
ルシファーさん、何か嬉しそう。
《えっと、お俺は・・・》
おずおずとキューボックさんが聞いてきた。
キューボックさんは、絵本に載っていない。
【キューボック。お前は、けっこう若いんだから、そういう絵本とかに載るわけなかろうって・・・】
キューポーさんにそう言われて、キューボックさん、シュンとしている
「いや、たしかに絵本には載っていないですが、あっちの知識のデーターベースみたいなところには、優秀な考古学者っていう感じで載っていましたよ」
うん、嘘は言っていない。脚色はあるけど。。。
キューボックさん、顔がぱ~と明るくなった。
「そういえば、さっき合戦みたいなことをやっていましたけど、ってこのテントとかも合戦仕様というかそんな感じに見えますけど、何をやっていたんですか?」
【あ~それはな~・・・】




