【第二章】~禁止エリア編~ ⑦お憑きのもの~コクボ違い~
大将の姿が・・・なんか・・・オイラは思わず
「た、タコ?」
そして何故だかレイコ~さんもつぶやく
『キュ、キューちゃん!』
タコは、見えないところから声がしたのでキョロキョロしながら
【何やつ・・・って吾輩をキューちゃんと呼ぶのは・・・この声は・・・もしかしてレイちゃん?】
外から見張りが入って来ようとする。
≪親方様、何かございましたか!?≫
【大丈夫だ。寝言だ。これから内密な仕事に入る。儂がイイと言うまで、そなたも含めて誰もここに近づけるな。】
≪で、ですが・・・≫
【くどい。】
≪はっ≫
そういうと、見張りの兵士さんは、外へ出て行った。
タコさんは、ごほんと咳払いをすると【人払いはしましたぞ。レイコ~様】
そう言うと、レイコ~さんは嬉しそうに応える
『そうよ~。レイちゃんよ~!レイコ~様なんて仰々しく言わないでいいわよ。キューちゃんって、たしか何千年か前に行方不明になっちゃったから、すっかりどっかで屍になっていると思っていたわよ~。』
ん?何かすごいこと言ったような・・・
タコさんは
【はっはっは。ご冗談を。しかしあちらでは、そんなに時間が経ちましたか~。】
なにやら豪快に笑っているタコさん。
【それより、レイコ~様のお姿が見えないんじゃが、こんだけ時間がたっていますと、やはり幽霊か何かですかな?】
正解。ただ、このままだと、タコさんも喋りづらかろうと思ったので、オイラは「とぅ!」と叫んだ。
タコさんは
【おう・・・】
と思わず声を漏らした。
急にゲジゲジTシャツを着た男と美少女が出てきたからだ。
タコさんは、驚いている様子。
オイラ達を確認したタコさんは、床に膝まづくと
【お久しゅうございます。コクボ様。】
美少女に頭を下げた。
『お~そう呼ばれたのは数千年ぶりじゃの~。』
ん?また何か変なこと言った。
「コクボ???」
どっかのプロ野球チームにいたような・・・
【いかにも。この方は国王の母君であらせられるレイコ~様じゃ。
おつきの者なのに、知らんのか?】
あ、そっちの国母か~
おつきというか、この美少女がオイラに、お憑きになられているんだが・・・それより
「あ~そっちの国母ね・・・って、え~!」
改めて美少女を見てみる。どことなく神々しく見てるような。。。
だがしかし
鼻くそ、ほじっている・・・
残念美少女。。。
この辺は、姿相応ということだろうか・・・
「国母って、レイコ~さん、そんな偉い人間だったんですか?」
『そうじゃよ。ただ死んで、もう何千年もたつから、そんな偉いもんでもないがな。』
たしかに幽霊となっているレイコ~さん。
幽霊歴数千年って、成仏は・・・
たしか日本では1000年以上前に亡くなった平将門が祀ってある場所を動かそうとすると、現代でも祟りがあるとかないとか、そういう伝説はあるけど、数千年って、日本でいうと縄文時代とか弥生時代とかの人間の幽霊がいるっていうことだもんな~。。。
「そういえば幽霊族?って、いるのは知っているんですけど、何千年も幽霊って成仏とかしないんですか?」
『そりゃ普通ならとっくに成仏しているのじゃ。
我も成仏したいのもやまやまじゃけど、子孫たちがロクでもないことしかしとらんからの~。
心配で心配で成仏するに成仏しきれていないのじゃ』
え?めっちゃ技術とか魔法が進んでいて、衣食住に困らない社会ですよ?あそこ。いつの時代も親は子供を心配するってことかね?
【恐れながら国母様に置かれましては、ますますご健勝で。。。
え~と、こっちの世界は時間の流れる速度があっちの世界の数百分の1だか数千分の1なので、吾輩が生きているのはいいんですけど、お姿を現しておられますが、え~、その~、国母様は生きていらっしゃるのですか?】
タコさんは何となく聞きづらそうな感じで聞いてきた。
まあ、数千歳の高齢者にあなたは死んでるの?って聞いているようなもんだもんな。
レイコ~さんは、あっけらかんと「いや我は普通に幽霊じゃぞ!」と返事をして、小さい身体でどや顔をしている。
!
いや、まて、びっくりしたのは、残念美少女のドヤ顔じゃない。
なんかその前に、また重要なことを言っている気がして、オイラも遅れて
【「え?」】
タコさんとオイラは同時に声をあげてしまった。
【本当に幽霊なので・・・失礼ながら私の知っている幽霊は半透明や姿を隠す感じのものですが、足なども普通にあるようにお見受けいたしますが・・・】
『当然じゃ。このみやびの魔法で姿を見せることができるようになったからな。』
【そうですか。このおつきの者の魔法で・・・】
ゲジゲジTシャツの影響か、オイラの人相の影響か、タコさんは何だか半信半疑の模様である。
とはいえ、タコさんが喋っているところを見るオイラも、こんな生き物いるんだな~っていう感じなので、おあいこな感じかな?
ただ、実際に信頼してもらわないといけなよな~
「チェンジ」と叫びレイコ~さんを幽霊に戻してみた。
【お~!国母様がたしかに半透明で少し小さくなった感じにみえるが、このお姿はまさしく国母様!】
タコさんは、普段より「少しだけ」小さくなったレイコ~さんの姿を見てようやく納得した模様である。
レイコ~さん幽霊だと人並みの大きさだけど基本は巨人族だからね~。
【先ほどは失礼いたしました。して、国母様は何故この世界に来られたのでしょうか?】
ようやく本題に入ってきた。
そこで、オイラは、ここまで起こったことをかいつまんで説明をした。
【左様でございますか。あの洞窟から・・・】
「そうなんですよ。あの洞窟に好奇心で入ったらここまで飛ばされてしまって。」
【いやいや「それがしども」もあの洞窟から来て、それ以来、帰り方がわからず、、、いや、8割方判明はしているんですが、それは帰る手段になれず、、、それから、ずっとこちらで過ごしていますからな~。人のことは言えませんよ。】
「それがしども?」って、数人でこっちの世界に来たんだ。
それより、そうなんだ。前の世界に帰れないんだ。
うすうす感じていたけど、まあ、こっちの世界で生活していくしかないな。
こっちの世界は、あっちの世界の快適さはないけど、「食」がある。
「食」を楽しんでいこう。
というか、それくらいしか楽しみはないだろな~。
一難去ってまた一難、、、いや五難くらい?
でも、レイコ~さんは前の世界に帰れないと、さらに成仏できない感じだろうな~。
どうフォロしていくかな~。
少し頭痛のタネが出来た感じがしたが、とりあえず話しを続けよう。
「ただ、不思議なことに、あっちの世界では、あの洞窟が封鎖されていて、入ったら銃殺されるみたいなルールになっていて、たしか一人洞窟に入った人間がいて、銃殺されたみたいに伝えられています。」
【そうなんですな。おそらく「それがしども」がこっちの世界に迷い混んでしまい、帰ってこないことで、それで封鎖されたんでしょうな~。
また、話の流れ的に恐らく銃殺されたとされているのは、吾輩の子孫のことでしょうな~。】
タコさんの子孫?改めて考えてみたら、このタコさんキューちゃんって呼ばれていたな。
ついでに、レイコ~(国母)さんの存在を知っていたな。
「あの~間違えていたら申し訳ないんですが、もしかしてキューポーさんですか?」
タコさんは驚いた様子で【何故、それがしの名前を・・・】
正解らしい。
「話の内容的になんとなくキューポーさんかな~と。キューポーさん、あっちの世界で絵本になっているくらい有名人ですよ」
【なんと!それがしが絵本に!】
心底驚いている様子。
「そうですよ!オイラもあちらの世界に行ってそんなに日は立っていないんですけど、それでも知っているくらいの有名人ですから。」
【なんと!みやび殿と申したかな、そなたも異世界から転生してきたのか!】
絵本にのっていることより驚いた様子である。
「あと、キューポーさんの子孫の方々も繁栄している感じですよ。」
あっちの世界に行って、しょっぱなに数多ある家の中から、あなたの子孫の家に衝突しそうになるくらいには、繁栄していますよ。
現代日本なら東京に行ったら、街で石を投げれば芸能人にあたるみたいな?
よくわからない例えだけど、たぶん繁栄しているってことだと思う。
【そうですか。某の子孫も繁栄していると。。。】
少し嬉しそうな表情をしているキューポーさん。
そこから顔をキリっと変えて
【そうなると、国母様もおられることだし紹介せねばいかんな。これ!】
キューポーさんが大きな声をあげると家来と思しき人間の人影がテントの入り口にあらわれ
「何やら声がしましたが、大丈夫でございますか?」
そう声をかけてきた。
【今、中にいるものたちは、国母様のおつきもの者だ。気にすることはない。それより副将を呼んでまいれ!】
≪は!≫
副将ってキューポーさんやはり大将だったんですね。
少し経つとテントの入り口に人影があらわれた。
定吉さん、キューポーさんは、ep.4 【第一章】~未来異世界転移編~ ②定吉さんと、ルシファーと、キューポーより