【第二章】~禁止エリア編~ ③デート~ザランラップ~
ライブエピソードは実体験ですw
その後もなんやかんやで、レイコ~さんと(見えないけど)話しこみ、気づいたら午前6時を過ぎていた。
レイコ~さんたち幽霊も、明るくなってくると、流石に眠くなってくるというので、早々に退散していった。
それにあわせて、オイラも自宅に戻ろうとしたが、どうせなら(アレ)を少し試してみようってことになる。
少し寝たから眠気もそんなにないしね。
ただし、神様に貰った道具なので、多分、他に見られると不味いことには、なりそうだよな~。
周囲を見渡すと、ここはこの世界で割と人気スポットだけあって、そこそこ人がいる。
とはいえ、さすがにこの時間帯で、かつ奥の方にいくと、人は少なくなっており、周囲にいるのは、樹液もないのにたむろしている、カブトムシさんくらい。
この世界は、虫ともお話できるんだよな。大丈夫かな?
一応念のためにカブトムシさんに話してみる。
「こんにちわ~」
『・・・zzz』
あ、みんな寝てる・・・感じがする。
こういうのがわかるって、この世界ならではだろうな~。
というか虫も眠るんだね~。
などと妙に感心しながら、神様から貰った変身玉をポッケから取り出した。
一応カブトムシさんをチラ見しつつ、まずは、頭に変身玉をのせるんだっけ?
変身玉を頭にのせたまま下に手でバツを描き、変身したいものをイメージする。
ゴトン
あ、変身玉落ちた。
もう一回。
・・・
・・
・
12回目でようやく成功した。
最後のとぅ!って言いながらの、頭に変身玉のせての、ジャンプが難しいな~。
ちなみに、試しに変身玉を手に持っただけでやってみたが、特に変化はなかった。
あのポーズが必須条件らしい・・・
しかし、あの神様なんでこんな設定の道具作ったんだろ・・・
どんだけ戦隊もの好きやねん。
どうせなら、変身ベルトとかにすればよかったのに。
そして変身した姿・・・と言っても自分自身を全て見ることはできないのでので、とりあえず自分の見える範囲を見てみると、どうやら成功したらしい。
そういや存在も関知されるんだっけ?
あわてて「チェンジ」と言いながら、腕でハートの形をして、足をパカパカさせて元の姿に戻ったオイラは、自宅に戻ることにした。
自宅についた後、昨日少し寝ていたとは言え、流石に疲れたため少し睡眠をとることにした。
いいね~こういう自由に寝れる生活。【無職】ならでは。
【職】をしていた時は、こういう時に少し眠ると、あとあと怠くなってしまうので、仮眠などを取ることはしないが、ここは異世界。
そして今は【職】もない、ただのニート。
服装もそのままに、ベットに横たわり仮眠に入る。
~~~翌昼~~~
【ちゅんちゅんちゅん】
「かづちゃん~そんなところ触ったら、大きく・・・」
バコーン!
いててて。。。
誰だ気持ちよく眠っていたのにって、目の前を見ると、顔を赤くしたリカさんが立っていた。
なんかこんな景色みたな~。
しかも最近・・・あ、もう朝か・・・タンコブをさすりながら起き上がる。
というか、この前よりリカさんのつっつくのタイミング早くないか???
『まったく、変な夢ばかりみていないで、早く起きなさいよ。もう、お昼よ。』
少しあきれた感じなリカさん。
オイラは、タンコブをスリスリしながら・・・
「いやいや、一応病人なんだから、優しく労わってくださいよ~。っていうかまた、夢をのぞいたんですか~?」
『そんなの見ないわよ。変なこと言いながら涎たらしていたら、そりゃわかるわよ。』
そうですよね~
『あと病人って、そんなの、この世界は一晩寝たら治っているっていったでしょ。』
この世界は、寝たら治っているという便利なシステムになっているので、タンコブだろうがサンカクター酔いだろうが一回寝たらすぐに治っている。
昨日仮眠から起きた時点で、すでにサンカクター酔いは治っていたもんな~。
とりあえず起きるか・・・っていうか、寝起きの場所に女子が侵入していいものなのかと小一時間。地球の場合、逆だと、確実に不審者だぞ・・・
寝ぐせとかが酷いので、とりあえず身体をキレイにして、食べ物を体内に入れてから
「今日は、どこかに行くんですか?」
『今日は、ライブに行くわよ~!』
「ら、らいぶ?」
『そう、ライブ。
旧石器時代にはなかったかもしれないけど、演奏者が演奏をするのを見に行くことをライブっていうのよ。
一応行かなくても見ることも出来るけど、実際の場所に行って見る方が臨場感があって楽しいからね~。』
ライブについては、旧石器時代にも普通にあるけど・・・
むか~し、ジャ〇オタの彼女さんがいて、ライブの抽選があるということで、何故だかオイラも抽選することになり応募したら何故だか当選してしまい、行った思い出があるくらいだ。
ライブに行ったら行ったで、彼女さんの普段見せない熱狂的な応援、ならびに狂信的な眼力にドン引きし、かつ男子が一列に1人2人しかいない、うぇ~い(死語)って出来ない完全アウェイな状況。
そしてトイレも何故だか男子トイレがほとんど女子トイレになっており、ぐるっと一周してなんとかたどり着くという感じ・・・。
ということで恐る恐る
「どんなライブなんですか?」
『今日は、巨人族で有名なザランっていう人のライブよ。種族それぞれで有名な人がいて例えば鳥族なんかだとチュンケルさんなんかが有名ね。』
聞いた感じ熱狂的なアイドルグループという感じでもなさそう。
「へ~どんな音楽なんですか?」
『いい音楽よ~私は好きだわ。』
う~ん、いい音楽と言われても、この世界の音楽がどんなもんかさっぱり分からん。
わからんままでもしょうがないし、郷に入らばなんちゃらってことで、リカさんとライブに行くことにした。
でも、普通に考えて、そういやこれってデートってやつでない?
しかも、えろ・・・エルフとのデート。
これこそ異世界転生のだいご味。
神様ありがとう!
初めて神様に感謝だ。
けっこうテンションが上がってきました!
『でもライブに行くのは久しぶりね~。だいたいライブって、部屋とかで見ちゃうから。』
「へ~友達とかとライブ行くときも部屋とかで見るの?」
『そうよ?友達とは、いちいちどっかにいかないわね~。
それぞれの家でゲームをしたりライブをみたりかしら。
見ながらしゃべったり、他のことをやったり。
今回は、まあ、体験学習みたいな?』
この世界は、デートでライブとか行かないのかな?
というかこの世界のデートってどうやってするんだろ?
こっちの世界のデートって地球とは違うかもしれないし、それこそ効率が悪いとかいってデート自体がないかもしれないし、その辺の感覚が分からないからな~。
まあ、今は楽しむことにしよう。
ライブ会場?というか何もない場所につく。
「ここは?」
『ここでライブをやるのよ。あと5分で開演ね。』
周囲を見回すと浮いている人が多数いる。
それぞれの空間で寝ていたり、タコがいたり、手足のついた魚がいたり、猫の獣人がいたり、まあ、いろいろ。
ライブ開園時間になると、大きい人間が空中に現れてライブが始まった。
巨人族って言っていたしな。ってかそれにしてもでかくないか?
拡大して立体的にしているんかな?
服装は、カラフルなゲジゲジTシャツ・・・やはり流行っているのか???
周りもゲジゲジTシャツ来ている人けっこういる。
(昨日の服装のままだけど)ゲジゲジTシャツ着てきてよかった~。
そして気づいてしまった。
こうやって文化というか流行を受け入れていくんだな~と。
無意識な洗脳的な・・・
少しすると、ゲジゲジTシャツを着ていない人を見ると、あの人ださ~いって感じになっていくんだろうな~。
音楽はというと、頭の中に直接入って来る感じで、臨場感が凄い。
どういう仕組みか知らんけど、観客の声も頭の中に入って来る。
歌的には、地球でいうところのヒップホップが中心で、その中でもラップ曲が、すごい、うえ~い(死語)な感じがした。
しかし、ザランさんのラップか・・・
・・・ザラン・・・ラップ・・・サランラッ・・・
深くは考えないでおこう。
「この世界では、こういう音楽が流行っているんですか?」
『最近、また流行っているみたいね~。リバイバルっていう感じ?』
「リバイバルっていうと、これまでも流行ったことあるんですか?」
『そうね~こういうのって定期的に流行ったりするから、私の知っているだけでも5回くらいはあったわね~。』
こっちの人にとっては懐メロみたいな感じかな?現代日本でも80年代の音楽が一部の若年層に人気だったり、前に居酒屋さんやっていた時に、カラオケいったら昭和の歌謡曲を歌っていたバイト君もいたしな~。
しかし5回リバイバルしたんだ・・・エルフって寿命が長いっていうし、リカさんの年齢・・・
そう思った瞬間リカさんがこっちを振り向いて
『ん?何か言った?』
「い、いや、何にも言ってないよ???」
汗を拭き拭きしながらしどろもどろ返答する。
リカさんは変に勘が鋭いからな~。
考えている内容が今は分からないとはいえ、余計なこと考えられないな・・・
そんなこんなでライブも終了しリカさんと帰宅する。
「いや~楽しかったね~。いや~ザランさんも、こういうTシャツ来ているとは思わなかったよ~」
『あ、それね。そのTシャツのデザインはザランさんが作ったものみたいよ。
ザランさんは、曲も流行って、デザインしたTシャツも流行ってっていうことで、9億ポイント獲得したみたいよ。いいわよね~。』
ザランさん、マルチな才能持っているんだな~。
日本でもユーチューバーとかのインフルエンサーがアパレルとか歌手やって、ウハウハな人もいるもんな~。一発当たると大きいよな~。
「あと、ザランのラップ曲がいい感じだったね~」
あ、ラップってわかるのかな?
『へ~旧石器人にもわかるのね~。』
ラップは通じるらしい。
「ちょうど地球にもこういう音楽があって好きな人は好きだよ。いや~共通点があって良かったわ。」
『へ~旧石器時代にも、こういう音楽ってあったのね~。すっかり人骨とか木とかを叩いて音を出すくらいだと思っていたわよ。』
いや、人骨使った音楽って、、、それ旧石器時代の話しだし・・・って間違えていないのか?
『ちなみに今日行ったザランさんのラップは、ザランラップっていって、この世界でも有名なのよ!』
・・・
はい、ザランラップいただきました。