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【第二章】~禁止エリア編~ ①サンカクター酔い~取扱説明書~

 禁止エリアへいきたいと考えたら、身体が浮き上がった感じがして、あっという間についた。


 ところが見回してみると、あたりが真っ白・・・

 というか白いモヤモヤの中に入っている感じ。


 これは、神様はげの仕業か?

 この前、ボールを思いっきり当てやがって。

 っていうか老人はげがあんなに足上がるっておかしいだろ。

 文句言ったる・・・


 と思ったけど、なんだか手に温かい感触がある。

 隣を見るとリカさんがいた・・・


「あ、リカさん。ここは?」


『ここは、たしか禁止エリアの検査場かな?

 私もむか~しに来たことあるくらいで、たぶんだけど。。。』


「検査場?」


『ここから先は、禁止エリアっていうくらいだから、入っちゃいけない場所があって、そこに無断で入るための道具を、持っていないか検査する感じね。

 魔法については、使えなくなるからそういうのは無いみたいだけど。』


 厳重なセキュリティになっているってことか。


 たしかに禁止エリアの入り口までは大丈夫だけど、禁止エリアの中に入ったら射殺されるって書いてあったし当然っちゃ当然か。

 でも、この世界なら、どんなものでも突破できる道具とか、ありそうだもんな~。

 あとで調べとこ・・・ってか変身玉持ってきているけど大丈夫かな?


「ここの検査が終了して、なんか持ってきちゃいけないものが、あったらどうなるんですか?」


『う~ん、昔と違って、今はそんな人いないみたいだし、聞いたことも無いけど、たぶん没収とかされたり、強制労働たんじゅんろうどうになったりとかかな?』


まあ、仮に取られても神様はげから貰った(投げつけられた)ものだし、強制労働たんじゅんろうどうっていっても、現代日本は、仕事=強制労働みたいなもんだから問題はないか。


「逆に問題なく終わったらどうなるんですか?」


『終了したら、このモヤモヤが晴れる感じじゃないかしら?』


「この検査が終わったら、そこに色んな道具がおかれているんですか?」


『いや禁止エリアの入口については、昔のものが置いてあるっていう感じじゃなくて・・・』


 というと、デジタル音で


「検査終了しました。なにかございましたら、このボタンを押してください。

 それでは、ごゆっくりお楽しみください。」


 そうアナウンスがながれてきた。


 いつのまにか手に赤いボタンがあり、白いモヤモヤが晴れてきた・・・


 どうやら変身玉は、大丈夫だったらしい。

 まあ、神様の道具ということで大丈夫なんだろう。

 そう思うことにして、あたりを見まわたすと、だんだんと茶色と黒の光景が浮かんできた。


 これは・・・


 この未来の異世界に来て風景とか多少慣れてきたけど、そこには以前イメージしていた異世界がそのまま存在していた。


 リカさんの顔を思わず見てしまう。


「リカさん、これってダンジョンですか?」


『ダンジョン?あ~異世界、君の世界のもある魔物とかモンスターの巣窟みたいなところね。』


 いえ、ダンジョンは、小説やらアニメであるくらいで、地球上にもないです。洞窟ならありますが・・・


「そ、そうですね。魔物とかモンスターのいるところです。

 でも、この世界には、そういうのは、いないんですよね。」


『そうよ。この世界には、魔物とかモンスターは、いないわ。』


 なら地球上にもある、ただの洞窟か・・・


『でも、たぶん魔物より怖いものもあるけど。。。』


 なに?魔物より怖いものって・・・


『この先に扉みたいなのがあって、そこより先に無断で入ってしまうと昔は兵士がいて即射殺ってなっていたみたいだけど、いまは瞬時に兵器で自動的に射殺されてしまうみたいよ。』


 こわ・・・瞬時であの世行きか。

 せっかく変身玉を持ち込むことは成功したけど、これは計画が潰えたかな・・・


『まあでも、こっちの世界の人間はルールをしっかり守るから射殺されることは無いし、仮に異世界人がこっちの世界に来たてでっていう・・・


 ちょうど、みやび君みたいな人間のことかな?が、ここに来ると、案内人の言う事もきかないで、この風景を見てあわてて逃げ出したり、すぐに元に場所に戻る人もいるみたいだから、間違えて消されてしまう事とかもないけどね。』


 気持ちはわかるな~。

 

 この世界に来たてで魔物とかモンスターはいないって聞いてるけど、やっぱりいるんかい!ってなると、すぐ逃げだしたくなるよな~。


『みやび君は、案外と度胸があるのね。』


 ダンジョンのない地球なもんで恐怖より好奇心の方が大きいだけです・・・


「でも、なんでこんな感じの場所にしているんですか?」


『ここは、昔の道具が置いてあるっていうことと、国としても観光地を増やそうってことで、昔の世界を再現して、こんな風景になっているみたいね。』


 未来の異世界にも観光地ってあるんだ。。。


『あと、ここでゲームをするのも雰囲気が出て楽しいみたいよ。』


「ゲーム?」


『そうゲーム。この世界には魔物やモンスターはいないけど、魔物やモンスターを倒すゲームとかも流行っているのよ。』


 モンスターとか魔物討伐って、現代地球でも流行っているしな~。

 地球上でも、それこそ40年くらい前からあるしな。

 むか~し子供の頃、そのソフトを買うために並んだな~。

 今はオンラインでダウンロードできるから、ゲームを買うために並ぶという行為は、あんまなくなった感じだけど。

 そういう冒険心は、どの世界でも共通ってことかな。


『そういうゲームは、家でも普通に出来るんだけど、こういう場所に来た方が雰囲気が出てくるっていうことで一部のゲーム愛好家が、ここにわざわざ来てゲームをしているみたいね。』


 そうなの?と周囲を見回してみると、普通にグループで歓談しながら、見回している人もいるけど、壁にもたれかかって何もしていない人もいる。

 その人たちがそんな感じなのかな?


 そして見回してみると、空中に矢印が浮かんでいた。


「この矢印は?」


『これは、この後の行先を案内している案内図ね。

 この先にいくと、安全が確認されたものだけど昔のものが展示してあったり、動かせたりするのよ。』


 昔のものが動かせるの?マジで?行きたいかも。

 昔のものと言っても、地球のものより相当発達しているんだろうし・・・


 ということで、リカさんと矢印の方向に移動してみることにした。


 そしてとある地点から、急に景色が変わった。


 なんか空中に浮かんでいる。

 いや家の外に立つと空中に浮かんでいるのだが、ここはそれとは違って、左右上下どちらを見ても際限のない空間が広がっている。


 横にいるリカさんに


「これは・・・どういうこと?」


『どういうことって、ここは昔の道具の展示場よ。

 なんかみたい道具があったら、こんな道具が見てみたいって思ってみて。

 そういうのが分かんなかったら道具って思ってみて。』


 思う?では、いま展示場で浮かんではいるけど、飛ぶ道具と思い浮かべてみた。


 そうすると目の前に下が少し丸くなっている三角錐が現れた・・・

 これあれだ、工事現場にある三角コーンの、めっちゃ小さいやつ。


「リカさん、これは?」


『なんだろね?私も昔の道具については知らないわ。

 利用方法については、それを持ちながら利用方法についてとか用途とか考えてみれば、浮かんでくるわよ。』


 なるほど。では、これについて思い浮かべてみる。


【サンカクター後期量産型:「ニコちゃん」365年製。

 これは空を飛ぶ際に利用する道具。

 頭や背中に載せると自動的に装着し、空を思い通りに飛ぶことができる。】


 思いっきり、タケ〇プターやん。。。

 ってか5000年くらい前から、タケ〇プターがあるんだ。

 そりゃ石器時代って言われるわ。

 ってか5000年前のものが普通に動くってのも逆に凄いな・・・


 ということで頭にサンカクターを付けてみる。

 しかし元々浮かんでいるせいか、何も変化が感じない。

 ???と思ってリカさんを見ると、リカさんが少しあきれた感じで


『だから、昔の道具なんだから、今とは発想も利用方法も違うだろうからさ、 私にもわからないわよ。利用方法を調べた方がいいわよ・・・』


・・・はい。早速サンカクターの利用方法について考えてみる


【サンカクター利用方法:サンカクターを頭、もしくは腰に装着し、その後、サンカクターのてっぺんにあるボタン(ボタンとは、押すことの出来る出っ張り部分のこと)を、押すと飛ぶことができる。


 方向を変えたい場合は、身体を飛びたい方向に傾ける。

 その後、降りる場合は、サンカクターの下部にあるボタンを押すと安全に着陸することが可能。

 なお、展示場では陸地がないため、着陸する場合は、元の位置に戻ることになる。


 稀にうまく飛べないことや、気分が悪くなること※注1もあるが、繰り返し訓練を行うことにより安全に飛ぶことが出来るようになる・・・・・】


 なるほど。

 とりあえず最初の数行を読み、早速サンカクターのてっぺんにあるボタンを押してみる。


 そうすると、ふわっと浮かぶ感覚がある。

 これだけでオイラは「お~!」と思わず声をあげてしまう。

 そして、行きたい方向に身体を傾けていると、その方向に飛んでいくことができた。


 めっちゃ楽すい~、未来の(異)世界の狸型ロボット~なんて口ずさみながら、色々スイスイ調子にのって色々移動していると、なんだか気持ち悪くなってきた・・・


 あわてて着陸のボタンを押して、元にいた場所に戻って来る。


 リカさんが心配そうに顔を覗きこんでくる。


『どうしたの?大丈夫?』


「すみません、少し張り切っちゃったみたいで・・・うえっ」


 少しリバースをした。


 そうするとリカさんはあわててボタンを押して、どこかに移動し、その部屋のベットに寝かせられた。


「ここは?」


『ここは展示場内にある病院よ。急にみやび君がいきなりもどすから心配したわよ。

 この国の人間は、基本的に国が身体を管理しているから、病気にはかからないのよ。

 そのため、万が一、身体に異変があったら、すぐに近くの病院に連れて行って検査することになっているの』


 病気にかからないのか~それは凄い世界だな・・・なんて思っていると【検査が終了しました。】とデジタル音が流れてきた。


 もう終わったの?なんかCT検査とか、MRIとかって・・・

 あ、病院が自動的にやっちゃうのか。


【検査結果、サンカクター酔いと判明。お薬は体内に送付いたしました。

 このままご自宅へ転送いたします。

 明日まで安静にしてお過ごしください。ご苦労様でした。】


 ガイダンスが流れると、リカさんと一緒に自宅へ転送された。


 そんな転送されることになれつつある状況ではあるがサンカクター酔いか。

 当然のことながら初めて聞いた単語だ。

 取扱説明書に書いてなかったよな~。

 なんて思いながらサンカクターについての説明を改めてみてみる。


 ん?


 なんか、最後の方に「注1」の解説が書いてある。


【※注1:サンカクター酔い:一般的には、空を飛んでも国が身体の機能を管理しているので、身体に不快感を及ぼすことはないが、禁止エリアなどの特定エリアの場合、その効果がなくなることがある。


 そのため、禁止エリアなど特定エリア内でサンカクターを利用し急激な旋回などを、何度も行う場合、身体に不快感を及ぼすことがある。】


 ・・・取扱説明書は、最後までしっかりと読みましょう。

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