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【第一章】~未来異世界転移編~ ⑩ニコちゃん

「しかし食べ物っていうか、喉を通るやつ、あれ慣れないですね~。

 なんか食べ物みたいなのってないんですかね?」


 少しリカさんに相談してみた。


『前も言ったけど「いわゆる食べ物」ってないわよ。

 でも、異世界人は、来た次の日には「便利だね~」って慣れるって

 聞いているんだけど、みやび君は、変わっているのね~』


 変わっているのか~日本人として普通だと思うんだけどな~。

 どうせなら、日本食を食べたい。味噌汁飲みたい。

 この世界なら、どんな食材でも作れるでしょ。


「おなかに入って来る食料とか作る場所があるんでしょうから

 なんか食材がある場所とかありそうな気もするんですけど。」


『不思議なこと考えるわね~。

 体内に入るものについては工場で作っているけど

 「いわゆる食材」がある場所なんてないわよ。

 そもそも「いわゆる食材」があっても自動的に体内に入るんだから

 不要でしょ?』


 いや、たしかに食文化の無いこの世界なら、そうだけど・・・


『あ、でも、あそこなら何かあるかも。

 でも「禁止エリア」だから入っちゃいけないか・・・ダメね。

 諦めた方がいいわよ』


 禁止エリア。。。なんか男心をくすぐられるワードが出てきた。


「禁止エリアって何ですか?行っちゃいけないんですか?

 ってか禁止っていうからには、なんか理由があるんですか?」


 思わず色々と聞いてしまった。


『禁止エリアって、旧時代に作られたものが捨てられている場所のことね。

 それこそ、「いわゆる食料」を食べてた時代のものも

 あるんじゃないかしら。


 ただ、昔に作られたものだから、爆発とかの危険があるとかで

 入っちゃいけないのよ。

 あと、入れたとしても旧時代のものも、すべて国に登録されているから

 持ちだしたら国にバレちゃうし。

 ちなみに、みやび君の持ち物も・・・

 まあ変な服だけど、国が登録しているわよ。』


 変な服・・・そういやスマホとか鞄とかもあったはずなんだけど

無かったな~。


 神様が身体と一緒に転送させなかったのかな?

まあ、無くても困らないような世界だけど・・・


 それより禁止エリアですよ!禁止エリア。

 禁止エリアについてウキウキしながら考えてみる。


 そうすると色んな情報が出てきた。


【禁止エリア:旧時代の物品が放置されており、非常に危険なので誰も

 入ってはいけない場所。

 禁止エリアに入る場合は、国王からの許可が必要。

 また、意図的に禁止エリアに無断で入った場合や

 禁止エリア内のものを持ちだした場合、射殺されることもある・・・】


 なんか、射殺とか、いろいろ物騒なことが頭の中に流れてきた。


「リカさん、ルールを破った場合の罰則って

 強制労働たんじゅんろうどうだけじゃないんですか?」


『あ~なんかね~。禁止エリアは、罰則が妙に厳しいのよね~。

 昔のものって、相当危ないってことかしらね~。

 まあ、ルールを意図的に破る人なんて、この世界にはいないから

 あんま気にしたこともないけど。』


 たしかに核関連のものとか、それ以上のものがあったりすると

この世界でもなんか大きな影響がありそうだしな~。

 その中のものを持ち出したり、入ったりすると大変なことになるっていう

 判断か。


改めて禁止エリアについて考えてみると、続きがあった


【・・・禁止エリア内のものを持ちだした場合、射殺されることもある。

 危険性が高く、「ニコちゃん」1986年に隔離指定され

 以降その指定は解除されていない。】


 内容はシリアスなんだが、「ニコちゃん」にすべて持っていかれた・・・


「「ニコちゃん」って地球でいうところの西暦みたいなもんなの?」


『そうよ。国王が「ニコちゃん」っていうの。

 だから「ニコちゃん」~年は、国王が就任してからの期間になるわね。

 今年は「ニコちゃん」5252年よ。とても身体が大きいから

 大王とも呼ばれているわ』


 今年は、「ニコちゃん」5252年か。

 この世界が出来てから、けっこうたっているんだな。

 「ニコちゃん13世」とかいるのかな?

 そして、「ニコちゃん」は大きいのか・・・ニコちゃん大・・・

 「ニコちゃん」を考えていたら、大事なことを思い出した。


「そういえば、昨日は何だかんだでトイレ行っていなかったけど

 トイレってどうしているの?」


 昨日からトイレに行ってない。

 というか、何故だか、そういう欲求すら無い。


『トイレ?』


「あ~え~っと、人間の排泄行為を行う場所みたいな?」


 女の子の前だから、少し照れるオイラ。


『あ~排泄か。そういえば異世界人は排泄行為を行っていたわね~。

 身体からでる排泄物は、国が抜き取っているから、

 そういう行為を行うことは不要よ。』


 え?まじで?ということは、切れ痔とかこの世界では、少ないんかな?

 いや、切れ痔じゃなくて・・・トイレ無いの?


『っていうのも、この世界は、色々な種族がいて、同じ排泄行為でも

 行為を行う場所の大きさも違うし、場所、環境も違うのよ。

 それこそ頭から排泄物を出す種族もいるみたいだし。』


 頭から排泄・・・それってニコちゃ・・・って言ったら

 なんかダメな気がしたから、言うのをすんでのところで

 やめることができた。


『それぞれの種族にあわせて、そういう環境を作ることも出来るけど

 結局、無くしちゃった方が楽だし、身体的な影響については

 元々国が管理しているから問題ないしってことで

 国が抜き取ることにしたみたい。』


 そうなんだ・・・科学も発達すると凄いんだな。

 しかし、どんどん大事なものが省かれて行っている気がする。


 ちなみに禁止エリアの場所は、どこらへんだろう?


【禁止エリアの場所:場所は、40.3398.127.51になります。

 観光目的で禁止エリアの入口に立ち入ることは可能だが

 禁止エリア内に入ろうとする場合、国王の許可が必要。

 また、物品の持ち出しについては、国王の許可に関わらず禁止されている。

 禁止エリアへの立ち入りにあたり国王の許可がないと判明した場合や

 物品の持ち出しした場合、即射殺される。

 「ニコちゃん」2525年に無断で入ろうとする人間がいたが

 即射殺される事件が起きた※注1

 遺体は、国民墓地に埋葬される。】


※注1 キューボック事件 


【考古学研究科のキューボック氏が研究のために無断で禁止エリアに侵入し、  

 当時禁止エリアを守護していた兵士に射殺された事件。

 射殺した兵士の心理的負荷を考慮し、現在は国の管理になり

 兵士はいないが、禁止エリア内に無断で入ろうとすると

 自動的に射殺されるシステムに変更される。以降、侵入者はいなくなる。】


 キューボックさんか。キューポーさんの子孫かな?

 この世界の人って自由を謳歌しているから、研究とかに命をかける人って

いないと思っていたけど、意外とそういう人もいるんだな~。

 地球だと、命をかけて研究しているとか、わりとありそうだけど。


 禁止エリアの入り口なら観光目的で、すぐにでも行けそうね。

 でも禁止エリア内に入ったり、禁止エリア内の道具をとったりすると

下手したらあの世行きになるし、どうしたもんかね~。

 こっちに来てから数日であの世逝きっていうのも

何だかもったいないしな~。


手元にある銀色の球をニギニギしながら考えているオイラ。


「リカさん、今日ってどっか行ったりするんですか?」


『特にないわよ。今日は、みやび君に昨日知識が入っただろうから

 それを参考にして、みやび君の行きたいところに私は、ついていく感じよ。

 この世界と、みやび君のいた世界の常識の違いみたいなのもあるだろうし

 その辺をお互いに確認していって、ギャップを無くしていく感じね。』


 そうだよな~常識的に言うと、まさか、食文化や排泄行為が無い世界だとは

思わなかったよ・・・

 どうせなら、この世界の食べ物とか食べたいな~なんて思ったけど

そういうのもなさそうだしな~。


「そうなんですね。この世界は、ここに行きたいって

 思えばいけるんですよね?

 ちなみに、いったことのない場所って

 住所は、なんか数字の並んでいる感じになるんですか?」


『そうよ。一回いったりイメージのわいた場所なら、すぐにその場所に

 行きたいと思えば行けるけど、そういうことをしなくとも

 場所を特定する数字を思い浮かべて行きたいと思えば

 すぐに行けるわよ。』


「一緒に行く場合は、手を繋ぐまではわかるんですが 

 そのあと、どうやっていくんですか?」


『手をつないで、片方の人間が~へ行きたいって思えば

 二人で一緒に行くことができるわね。』


「なるほど。了解しました。では」


そういうとリカさんの手を握って


「禁止エリアへ行きましょう」


そういうと(40.3398.127.51)を思い浮かべる。


『ちょっ!』


 リカさんは顔を赤らめているように見えたが

あれだけグーパンが飛んできたんだ、、、気のせいだろう。



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