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【第一章】~未来異世界転移編~ ⑨神様リターンズ

 寝ていると夢を見た。


 そうすると神様が登場してきた。

 じつに、ラジオ体操(昨日)ぶりだ。

 神様は、相変わらず禿げている。


『ふぉっふぉっふぉ。どうじゃ?異世界での生活は?』


 光る頭を見ながら、オイラは若干に怒気をふくめ


「なんですか、このテンプレから外れた設定の世界は。

 無双もハーレムも、なんもできないじゃないですか。

 まだ、中世の舞台の方が良かったですよ。」


 愚痴る。


「しかも、未来世界だから、スキルとか魔法とか絶対必要で、なんか才能をくれればよかったのに、何もないじゃないですか」


 愚痴る。


「普通ヒロイン役の女の子に、あった当日に3つも4つもタンコブなんて、普通、貰いませんよ」


 愚痴る。


『ふぉっふぉっふぉ。お主、中世が嫌といっていたじゃろうが。

 だから逆の世界に転移させてやったのに、何を文句言っとる』


  ぐぬぬ・・・


『ヒロインの話しも、無駄口を叩いてタンコブ貰っとるだけなのに、何を文句言っとる』


 ぐぬぬ・・・


『スキルも魔法もなくとも、そのけったいなパジャマを着て、快適に過ごしとるじゃないか。何を文句言っとる』


 ぐぬぬ・・・


『ただ、あの世界でも、お主にしか出来ないこともあるんでの~。』


 ぐ・・・お主しか出来ないこと?


「あの世界でオイラだけしか出来ないことって?」


『それはお主が見つけることじゃ。まあ、すぐに見つかるじゃろ。

 ただ、普通に見つけるのも厳しいといえば厳しいかもしれんな。

 そうじゃの~。なんかの足しになるかもしれん。

 お主にプレゼントをやろう。』


 神様は、懐から何やら、銀色の小さ目なボールを取り出してきた。


『これは、自身の姿や、他のものの姿を変えることが出来るボールじゃ。

 また、たとえば、AとBを交換するということもできる。

 何かと便利じゃぞ。名付けて変身玉じゃ』


 お~!異世界転生ものの定番的なやつようやく来た!


 ・・・でも、この未来異世界にも、そういうのありそう。

 普通に景色を変えられる魔法?を持っていたし。

 それどころか変わった景色が実体化していたし・・・


「姿を変えるって、たぶん未来の異世界でも、それ簡単に出来るんじゃないですか?」


『ちっちっち、わかってないの~。

 この世界は、見た目の姿を変えることはできるかもしれんが存在を変化させることは、出来んぞ?』


「存在?」


『そうじゃ、存在じゃ。お主としての存在はしっかり国に登録されておるから、どこにいても国が把握しておる。

 また、外見だけ変装したところで、他人からもお主の名前もポイントも見れるし魔法などによって変装なぞすぐにバレる。』


「いやだから存在が確認されているから、空も歩けるし便利なんでしょ?

 たしかに日本人として、いい気分はしませんが。」


 日本人は個人情報保護にうるさいと、最近では、海外にまで広まっているらしい。


『それがこのボールでお主の存在が分からなくなったり、他のものに変わることが出来る。

 もっとも他のものと存在を交換した場合、変更されたものは、その間は、存在がチェンジしていることになっとるから、早めに戻る必要もあるがの。

 変身したままが快適ならそれでもええし。』


 そんな場面、あの未来異世界だと起きないだろ・・・

 なんて思いながらも、まあ、異世界転生っぽくなってきた~と思い貰うことにした。


『この道具を使いたくなったら、少しコツはいるが、変身玉を頭に載せてだな、こう変身したいとか、これをこう変えたいとか、これとこれを交換したいと願いながら、こう手を下にバツをしてだな


 へ・ん・し・ん!


 と、大きく唱えるのじゃ。


 そして、トゥ!


 と、大きく両手を上げて大きくジャンプすれば変身できるぞい。』


 ん?


 とぅ?


 へ・ん・し・ん?


 この爺さんかみさま、戦隊モノの見すぎか??


『そんで、元に戻る時は、足をパカパカさせて「チェンジ」と言いながら、腕を頭の上に上げて、腕でハートの形を作れば大丈夫だぞい』


 ハート・・・


『それじゃ変身玉を渡すぞい』


 爺さんかみさまは、そう言うと、足を高く振り上げた。


「え、ちょ・・・」


 いや、ポーズとか、とぅ・・・とか、いろいろ聞きたいことがあるんだけど

 この爺さんかみさま、何この近距離で足を振り上げているの?

 ってか爺さんかみさまなのに、そんなに足上げて大丈夫なの?

 と疑問に思った瞬間、爺さんかみさまはダイナミックなフォームで

変身玉を投げ下ろしてきた。


 ふぁ!?この禿げかみさま、近距離でオーバースローで何投げ・・・


 ゴーン!!


 オイラは、頭に球があたった衝撃で、オイラは、また深い眠りについた。


~~~~~~~~~


「ちゅんちゅんちゅん」


 朝、目が醒めると、銀色の小さな球が枕元に転がっていた。


 なんだ、これ?まあいいや。もう少し寝ようと思い、寝返りをうつ


「いって~~~~!!!」


 寝返りをうった方向の頭に大きなタンコブが出来ていた。

 どういうこと?と少しづつ昨夜思い出してくる。

 神様と会ったことを思い出し、あの禿げかみさまは、本気で投げやがったなとの思いにいたった。


 大事な道具なのに、壊れたらどうするんだ・・・


 みやび君はタンコブ慣れして、今では、タンコブより道具の方が、大事になっている模様である。


 とりあえず、顔洗って歯磨きしないと・・・と考えるも頭が今一つ働いていないのでボーっとしばらく過ごすことにする。

そこから、あ、ここ未来だっけ?と、ようやく思い出すことに成功した。


 「身体をキレイにして」と思うと、口の中や顔、身体がさっぱりした感じがする。

 ついでに寝ぐせもなおっている。

 どういう仕組みなんだろ?


 とりあえず着替えるか。って思ったら、頭の中にこの世界の流行ファッションが出てきて5着の中から選べるようになっている。


 ん~、なんでしょう・・・頭にイモムシみたいなのを載せたような緑色と紫色のストラップの入った帽子とか、胸にカラフルなゲジゲジみたいなのが、ゆらゆら点滅しながら動いているシャツは・・・

 動いているのはいいんだけど、カラフルなゲジゲジが・・・

 そう現代地球人なオイラでした。


 その中、とりあえず一番まともと思えるものを選択して着てみる。

まあ、自分の恰好は、せいぜい朝に見るくらいだし、気にしないことにする。


 着替えると腹が減ってきた。


 とりあえず「食べ物を食べたい」と思ってみる。

 そうすると、何か喉を食べ物が通る感覚がある。

 あ~味は何かガム食べるんだっけ?


 今度は「ガム」と思って「飲み物を飲みたい」と思ってみた。


 スムージーだ。うまいね~。


 だが、何か違う。なんか皆慣れると言っていたけど、これは慣れんな~。

日本人だからかな~。

 まあ、日本の朝食を作れとまでは言わないけど気分的になんか食べたいよな~。。。


 なんて思いながら、過ごしていると何やら人が来る感じがした。

 特に何もないけど、この人が来る感じ。

 たぶんこの世界が、そういう風に思わせているんだろうな~。


 ドアを開けてみる。

 会ってそうそう開口一番


『あら?まだタンコブあるの?』


 タンコブの心配をされた。


「あ~ちょっと転んじゃって・・・」


 神様にボールを投げつけれたなんて言えないから、オイラも適当に答えてみる。


『よかった~。普通はケガしても寝ている間に治っているから、そんなに強くつっついたグーパンチと思っちゃった。てへ』


 寝ている間にタンコブは治っちゃうもんなのね。

 いや、てへって、普通に痛かったんですけどね・・・

 と思った瞬間、あ、やべ、また、つっついてくるグーパンチと身構えたけど・・・飛んでこない。


 あれ?と思って聞いてみると


『あ、読心魔法とかは、万が一暴力とかふるってくる人とかへの対応で、昨日検査とか対応を見て大丈夫と判断されたみたいね。

 今日から使っちゃいけなくなっている感じよ。』


「へ~ルールってちゃんと守るんだね~」


 妙に感心していると


『当り前じゃない。みやび君のいた西暦2000年ごろって、ルール無用の弱肉強食、食うか食われるか、荒野をヒャッハーって言いながら(いわゆるバイク)っていうのに乗って、目が合った相手をドンドンやっていくっていうサバイバル社会だったかもしれないけど、この世界は、決められたルールは絶対よ。』


「いや、地球もある意味サバイバル社会ですけど、そこまでは・・・っていうか、その知識はどこから・・・」


『え?定吉さんの伝記に地球の2000年代前後は、そんな感じであったみたいな感じで書かれていたわよ?』


 定吉さん・・・それ、たぶん読んだ文献まんがにおける世紀末は、そうだけど、そうだけど、それ文献まんが違いです。


 まあそれは、置いといて・・・


「決められたルールを守るのは、当然なんですが、それは法律みたいなもんですか?」

 

『法律?あ~国が決めたルールね。


 みやび君の世界だと法律を破ったら、はりつけ獄門?とか投石?とかギロチン?とかで死刑になるんでしょ?


 そういう国が決めたルールみたいなものは、この世界にはないけど、国王がこうしろって決めたことはルールになっていて、意図的にルールを守らないことは無いかな。それが常識にもなっているし。』


 はりつけ獄門とか投石とかギロチンって、たしかに、そういう国・・・時代もあったけど、定吉さん、なんか色々ごっちゃになっている・・・って、え?ルールって破る人いないの?


 ルールは、当然大事ですよ・・・

 日本社会は世界からみてもルールは守る方だし。


 でも、赤信号みんなで渡れば怖くないっていう交通標語もあったくらいだし

たまに破るくらいは・・・ん?そういう交通標語なんてない?


「ルールを破る人間がいないってなると、犯罪者とかいないの?」


『そうね~基本的にルールを破る人間はいないから犯罪者もそんなにいないわね。

 

 犯罪っていっても、例えば転んで、その先に人がタマタマいて、ぶつかってケガさせちゃったり、ストレッチしていて、それが他の人にあたってケガしたり、ツッコミ入れたらケガしたりみたいな感じかしら。


 その場合は、たしか過失なんちゃらっていう刑になって、自分にとって一番いやな仕事について、その罰の期間分、強制労働するみたいな感じかな?』


 ん?リカさん、いま、ツッコミに関して、とても大事なことをおっしゃった気がするんだが。。。


 まあ、ツッコまないでおこう。


 それより、この世界の罰則って、現代地球では、一般的なお仕事なんですが

そうですか、罰則ですか・・・


 あと、昨晩、銀色の球を投げてきた神様はげがいるんですが、この方にも罰則与えられないですかね~。

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