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どこへ
DO新聞社には、ジャックの行方を知っているのだろう、と怒鳴りこんできた人もいたが、知ってたらもう記事にしてるさ、という局長のもっともな言葉で帰っていった。
『 王様が消えた?ジャックはいったいどこへ?
わがDO新聞社にナゾのメッセージをたくしたまま、王様ジャックがいなくなっていることが判明したのだ。 いったいどこへ
―― いや、あの城しかねえだろ 』
そこまでタイプして、ロジーは紙をひきぬき、小さくちいさくねじって、ゴミ箱へほうった。
あの城のことを書いたら、ほんとうに消されてしまうだろうか?
いや、それよりももう一度あの城へ行って、ジャックがいるか確かめたい。
だが、あのとき《のつむじ風》と、《ディーク種族》の金色の目を思い出すと、いつものように、すぐに足は、むけられそうもない。




