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正式な書類
「 おいおい、こんなメッセージいったい、どこで? ―― まさか、あのほら吹きディルから仕入れた、とかいうんじゃなかろうな?」
なんだ、局長はあの人のことほら吹きって思ってぼくを紹介してくれたんですか?と眉をあげると、いや長生きなのはほんとうだからな、と眼鏡をおしあげた。
ロジーはもったいぶったしぐさで、上着のポケットからノートをとりだし、そこにはさんであった小さな紙きれをとりだしてみせた。
その青いインクの文字は、ロジーがタイプしたとおり、『ゲームは終わった』とつづり、下にはジャックの署名、そして、その上質な紙には、しっかりと、ジャックの紋章が刷られている。
「 ・・・なんてことだ・・・こりゃ、正式なジャックの宣言書じゃないか」
眼鏡を押し上げて紙に顔を近づけた局長は、口をあけたままだ。




