87/138
※※ ― しくみ ―
「 ま ・・・ほうつかい、 は」
女がからだをこわばらせるように、立ち上がる。
ジャックはカボチャ頭をゆらして、そうなんだよ、となんどもうなずく。
「《魔法使い》は、この世界の『きにいらない者』を、消してしまえるし、なんでも《魔法》で出せるんだ。 いやあ、 ―― ぼくも、この『世界』の《しくみ》が、ようやくわかってきたところでね」
横にすわったウィザナの、真鍮のような色をしたたてがみをなで、足をくみかえた王様は、ゆっくりと発音した。
「 ウイザナ、この女を ―― 消すんじゃなくて、この《城》から出られないようにしようかな。そしたらきみも、このゲームの《駒》に、仲間入りで、きみがさっきいった、『バグ』のひとつになる」
「それは、あなたの命令ではできません。 『魔法使い』が《実行》できるのは、《主従の関係》で《つないだ》アルルをとおしてじゃないと」
「《主従の関係》なら、もうひとり、 ―― つないだ《駒》が、いただろう?」
「・・・あ・・・」




