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ジャックの次
暗く美しい金色の毛におおわれたからだを、ゆったりと動かしネイブのそばに来ると、腰をおとし、ゆったりと前脚もまげる。
おはようウイザナ、とその頭をなでたネイブが、なにかに気づいたように手をとめた。
「・・・『つぎの王』って?なに?ジャックの次ってこと?」
「よく考えろ。ジャックはおまえのじいさまより歳をとってるぞ」
撫でられ、頭から背にあるたてがみをここちよさげに倒したウイザナがこたえる。
「 うわ、そーか・・・。 ジャックってみんなの前にでるとき、頭がカボチャだからさ、そういうことまったく考えなかったな・・・」
「あれは、主の呪いだからな」
くしゃみのようなわらいをウイザナは鼻からこぼす。