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このあとは
「 いえ。 たしかにおもしろいですけど、―― 孫を売り飛ばしたなんて事実がある時点で、書けないですよ。 ヘタしたらあの人、いまの法でいったら捕まっちゃうかもしれないですしね」
「 きみはなかなか頭がよさそうだ。 それなら、 ―― この城をでたら、どうすればいいかもわかってるかな?」
最後のひとくちぶんを口におしこんだ男は指をはらう。
「 ―― もうこの《城》のことは忘れて、これ以上かぎまわるなっていうんでしょ? 村にも、にどとくるな、ってとこかな」
「それがいい。 なにしろ、つぎに君をみかけたら、 ―― ウィザナが、きみを消してしまうかもしれないしね」
「そのひとも、この城にいる《ディーク種族》ですか?」
「いや。 《魔法使い》だ」




