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『新聞記者』
いつもの、『きょうはラムジイさんといっしょじゃないのかい?』ときくのと、同じ声のトーンだった。
だから、すこし言葉の意味を理解するのに間があいて、どうにかだせた言葉が「え」だったのだが、 ―― 自分の顔色が、変わるのがわかるほどだった。
ネイブのこの反応に、雑貨屋のポテラ夫婦はカウンターのむこうで顔をみあわせ、うなずきあっている。
「 え、・・いや、ええっと・・・ちがう、よ。 ほら、えっと、《キラ種族》なんて、もうとっくのとっくのおおむかしに、絶滅しちゃってて、もうこの世のどこをさがしても生きてるわけなくって、・・・えーっと ・・・ 」
「ネイブ、あんたはウソがつけないんだから、口をあけたらだめだよ」
「いいかい、このところ、あんたたちの城を探しに、街から若いノーム種族がやってきてる。そいつはどうも、『新聞記者』らしい」
新聞記者?




