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顔色の悪いこども
ネイブが買い物するのは、ふだんは近くの村の雑貨屋だ。
新種のファム種族の夫婦がやっていて、よく働いて気がまわる。
ネイブが、あの城に住んでいるのも知っているし、アルルのことも知っているが、よけいな詮索はしてこない。
それは、この村のルールみたいになっていて、ときどき出歩くホーリーは、みんなが見ないふりをしてくれるし、希少種の魔法つかい、ウィザナが散歩してるときは、みんなが気さくに声をかけてくれる。
それは、この村に、『薬』と『金』を、城がもたらしてるからだ、とホーリーは言うが、ネイブはそれだけではないと思っている。
「ねえ、あの、顔色の悪い子、―― 《 キラ種族 》なのかい?」
「 え 」
声をひそめたその問いに、ネイブは口をあけて相手の顔をみてしまった。
いつものように、頼んでおいたものを受け取って、この夫婦が小さな畑でつくっている野菜をえらんでいた最中だった。




