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ジャックだけが
「 そうだ、そうだ。《ダンプヒル》のあの城は、最後《キラ種族》のホーリーに奪われて、王様ジャックは、新しいいまの城にうつったんだ。 ―― ホーリーに頭をふっとばされて」
「 頭を!? だって、それって、いや、 ―― まってよ。それじゃあ、あのカボチャの中身は空ってことかい?」
まさか、とシエルは細長く節の多い指をかちかちと鳴らしながらゆらす。
「 頭は、また生えたってことだよ。 たしか、あたしらの知らないジャックだけが《契約》してる《種族》っていうのがあって、それに、はやしてもらったらしい」
「すごい・・・どんな魔力なんだろうね。それってどこに住んでる《種族》なんだい?」




