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おれって・・・
「 おれ、いまいくつなんだろ・・・」
テーブルクロスをとりかえ、燭台をそろえながら首をかしげる。
「あら?知りたいのなら教えてあげるけど」
テーブルの下から女の声がしたかとおもうと、するりとネイブの横に黒いドレスの女が現れる。
白い顔にかかる黒くうねる髪をけだるげにはらうと、両腕をネイブの首にまきつけぽってりと厚みのある唇をとがらせた。
「 ネイブったら、歳をとったらおいしい男になるかと思ったのに、あんな男に先にマーキングされたから、あたしのにできないじゃない」
唇のすきまから先の細い舌がでて、ネイブの頬をなめた。
「べ、べつにマーキングされたわけじゃ、」
「週に三度もベッドによばれてて、どうやって否定しようっていうの?」
「く、っ・・・」
いいかえそうとしたところで、あんな男よばわりされた当人が現れた。
「スネイキー、いいかげんのぞきにあきないのか?」
きのうものぞいていっただろう、とつまらなさそうに椅子にこしかけたのは、正統なディーク種族のアルル・ラムジイだ。