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※※ ― 過去のはなし ―
「 『 みんなから 』? そんなのもう、過去のはなしだ 」
ラムジイのむかいでカボチャの頭をゆする王様は、ゲームの駒を指先でゆらしてわらう。
二人がゲームをするのは城の奥にあるジャックの私室で、ここまで普通の者はやってこない。
来るまでに罠がしかけられた廊下を通り、アタリのドアを開けなければ、たどり着けないせいもあるが、部屋までたどり着ける者を、このジャックが選んでるのだろう、とラムジイは思っている。
「『過去』ですか? でも今日も、城はあなたを慕った者であふれかえっている」
「ありゃ、ただ単に、この城に来たいってだけさ。 ここにいる人たちは、ぼくに会いにきてるわけじゃあないね」
すこしなげやりにこたえると、駒をボードにおく。




