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本物の怒りと悲しみ
どうして差し出すことになったのかは、申し訳ありませんが『ホーリー はなしをしよう』を、以下略。。。
二回目におとずれたロジーに、たしかにどっちの話も信じられないけれど、エスルの怒りと悲しみは本物だと思うわ、とうなずいた彼女の意見には賛成だ。
家をでて、ロジーはもう一度、仲の悪いシンプソン親子の、並んでたつ家を振り返る。
息子のエスルから聞いたのは、ディルの冒険談の上をゆく、嘘くささがある昔話だった。
あのクソ親父は、おれの息子を、《キラ種族》に差し出したんだ
―― 自分が呪いをかけられそうになったとき、とっさに、自分の『孫』を代わりにさしだしたって?
ディルの冒険談は、嘘くささ満載だが、ロジーにいわせれば、エスルのこの話だって、同様だ。
ただ、彼の悲しみと怒りは、それを真実だといっている。




