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それはだめ
「 そうですよ。 ―― こうなったらぼくが、そのお城をさがしだして、取材してきましょう」
「いやいやいや、それはだめだ」
車いすからいきなり年寄は立ち上がる。
ロジーと目が合い、あわてて座る。
「 ―― おまえさんを、そんなあぶないめにあわせるわけには、いかないからな」
なーんだ、とロジーはノートをとじてみせる。
「それじゃあ、けっきょく、あなたの冒険談もほんとかどうか疑わしくなっちゃいますね」
「何を言う、わしのこのコレクションを見てみろ。 こりゃぜんぶ、その城からとっ・・・もらってきた品だ」
ディルは、棚に並ぶ銀の燭台やポット、古そうな食器たちを示した。




