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なくなってる?
「みんなこの世界からなくなってる?」
いくぶんかぶせるようなロジーの質問に、老人はゆっくりと顔をあわせる。
ロジーはしっかりを目をあわせたまま、さらに聞く。
「城の中にいた《キラ種族》たちも? みんなこの世界から『なくなってる』ってことですか?」
「そりゃ・・・」
「あるんでしょう? お城は。 だとしたら、その《キラ種族》も、生き残ってるかも。 ―― すごいはなしじゃないですか?まだ《キラ種族》がいる、なんてことになったら、きっとみんな大騒ぎで、あなたはみんなの人気者ですよ」
「 うむ、そうなるか? そりゃしかたないな。なにしろわしのような大冒険談を、『実話』としてはなせる者など、そういないだろうからな」




