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むかしの城
どうやら、ディルのおもりの炎は、もうここにはいないようなので、話がほんとうかどうか確認のしようがない。
「 ―― なにしろ、うちのお守りは《青い炎》だったからな。最上位の精霊だ。 わしの的確な命令のおかげでもって、ちょうどなタイミングでツボはあき、中からでた《キラ種族》は、わしと《主従》の関係になった」
「《キラ種族》と?」
いかにも嘘くさいはなしだ。
だが、ディルはその反応が嬉しいようだった。
「 ―― おまえさん、ジャックが昔つかっていた城を知ってるか?」
「ああ、『ジャックが』、っていうか、大昔にみんなが集まるための『城』があったって、きいたことがあります」




