37/138
すごいもの
そう。
自分が子どもだったらその『おはなし』は、きっとおもしろかっただろう。
『 むかしむかし、あるところに働くのが嫌いな一人の若者がいて、国中をぶらぶらしてすごしていたら、ある日、《すごいもの》が閉じ込められたツボを拾い、中にいた《すごいもの》のおかげで、そのあとも楽しく暮らせましたとさ。 』
その、《すごいもの》が入っていたツボだといって、古そうなそれをふってみせ、中身だった《すごいもの》は、なんだと思う?とにやりとしてみせた。
こたえを知っていたが、ロジーは首をふる。
老人はつぼをふりながら、「なんと!あの、《キラ種族》だった!」と大笑いした。




