35/138
わかっておった
申し訳ございません。しぶといじいさんのはなしは、『ホーリー はなしをしよう』をひろってみてください。。。
「わしにはわかっておったがな。 この日が来ることを」
車いすに座った年寄はそういうと、立ち上がって近くの棚へと歩いていき、そこに飾ってあった黒くて小さなツボをとりあげ、得意そうな顔をロジーにむけた。
「歩けるんですか?」
「あたりまえだろう。 だが、車いすに座っていれば、まわりがみんなやってくれる」
キーパ夫人は気づいているだろうし、金も払ってるんだから何も問題ないだろう?とディル・シンプソンは楽しそうにわらった。
黒いケープをまとい、そのフードを頭からかぶっているが、不気味さはどこにもなく、印象的な目がいきいきとした、ただただ陽気な年寄だった。
「街にゆけば目的地まで車を押してくれたり、馬車にもタダで乗れたりする」
「・・・・なるほど」
どうにもしぶとい性格の年寄りのようだ。




