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嘘みたいな昔話
申し訳ございません。嘘みたいな昔話は、『ホーリー はなしをしよう』の方となります。ひろい読みしてみてください。。。
「 『この世界』か・・・・」
疲れたような顔のエスル・シンプソンは、感情の読めない目でロジーをじっとながめ、受け皿とセットの立派なカップをわたしてきた。
「・・・ジャックについての記事をかくのには、わたしは賛成するが、―― うちのクソ親父のはなしを、どこまで信用するのかは、きみしだいだ。 ―― とりあえず、あいつにあうまえに、とっておきの嘘みたいな昔話をきかせてあげよう。 それを、信じるかどうかもきみの勝手だが、―― このはなしは、真実だ」
そうして聞いた話は、ロジーがいままできいたことのある『昔話』のなかで、いちばん嘘っぽくて、 ――― いちばん信じられないものだった。




