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王さまジャックとこの世界
ふうん不安か、とエスルがポットを置いた。
「―― ということは、きみは、ジャックがほんとうに、王様を退くと考えているんだな?」
「 だって、もういいお歳ですよね。 彼は《ノーム種族》のはずですが、へたしたらあなたのお父さんより、年上かもしれない。 ―― なにしろ、この世界ができたときからの王様だっていうんですから。 まあ、その辺のはなしも含めて、このあたりで一回、だれかが調べてみてもおもしろいんじゃないかって思ったんです」
「つまり・・・、『ジャック』という王さまについての記事をかくと?」
「そうです。みんなが永年愛してきた《王様ジャック》が、どういうふうにここまできたかってことをかきたいんです。 ―― 『この世界』を振り返るには、いいチャンスだと思うんで」




