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その女
「おれが、病気で死んでこの世からいなくなっても、おまえら、おれのはなししかしねえんだろ」
「ありえねえ。 あんたがジャックとおなじくらい好かれてたらそれもあったかもな」
「『あんた』じゃなくて『ご主人さま』だって何度いったら覚えんだうちの下僕は。 ―― で?そのジャックより、さっき言ってた女が、人気あるってことか?」
「ジャックのはなしにのってくるなんてめずらしいな」
どんな噂をしていても、いつもは、まったく耳に入らないような態度のくせに。
「その女、いつからいるんだ?」
ネイブにではなく、ホーリーはラムジイにきいた。
「さあ。 わたしが前に城に行ったときには、そんな女いなかったと思うが」
ラムジイはときどきジャックにゲームの相手として城によばれる。




