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真っ黒な穴
『箱』からあふれたそれらが、さきほどの虫のような動きとはちがい、のたりのたりと、たおれてゆれて、どろりとしたものになり、うねるようにして箱からあふれでると、そのままゆっくり、あたりにひろがるりはじめる。
すると、地面がゆれて、あふれたものに侵された場所に、真っ黒な穴があきはじめた。
のんきにそれをながめていた人たちの足元にたどりついた、もとは数字と文字と記号だったどろりとしたかたまりが、そのまま、足からつたい人々にのぼりはじめる。
そこでようやく、この事態にきづいたかのように、悲鳴があがった。
だが、すでに、そのたかられた人にちには、
―― 地面のような真っ黒な穴があいている。




