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ついに ここまで
「 みんな、きいてほしい。 ―― じつは、・・・ぼくはすこしのあいだ、みんなにだまって、『王様』を、この男に任せてたんだ。 いや、まかせるっていっても、城に置いておく王様として、だがね。 実務やなんかは、《本物の王様》である《ぼく》がやっていたんだが、玉座に座る、とか、みんなに手をふるとかは、この男に任せたままだった、ってことだ」
ふしぎにも、この雨と風にも負けず、気取ったしゃべりかたの年寄りの声は、みんなに届いた。
いや、よくきけばその声はまだ若く、しゃべりかたもちがうそれは、ロジーとしゃべっていたときは、別人のようだった。
「・・・じいさん・・・ついにここまできたか・・・」
ロジーの横でネイブがバルコニーをみあげてうなる。




