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指先ひとつで
中の髭をはやしたえらそうな男が、やはりよくないことが起こったな、とドドルのほうをみた。
あの、新聞社にどなりこんできた男だった。
「おまえらは、このこどもと知り合いなんじゃないのか?」
「いいえ」「まったく」
ドドルとロジーの返事に疑わしそうな目をむけたが、玉座でワインをのむこどもを前にして、納得したようだ。
このこどもは、指先ひとつで、ひとの口をぬいつけることができる
その玉座のそばには、口をぬわれた《偽物ジャック》が座りこんでいるし、むこうにも、口を縫われた男が、うなりながら転がっている。




