前へ目次 次へ 112/138 じゃあ本物は 「じゃあ、本物は?」 おもわずきいたロジーに、子どものつめたいグレーの眼がむけられた。 「 ―― おれが、始末した」 これに、なにもいえないみんなの顔をながめ、ぎゃははは、とわらいころげると、そばに立っていた《偽物のジャック》が、ふいに、テーブルにある、指先を洗うための水がはいったボウルで、顔をあらいはじめる。 「・・・あの偽物は・・・もしかして・・・」 ドドルがなにかいいかけたとき、ようやく騒ぎに気付いた城の兵隊たちが広間にはいってきた。