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はじめようじゃねえか
どこの種族かわからないが、グラスを持つ手はまだ細い。
まだ成人前だろう。
そのからだの細さにあわないほど、態度がでかく、広間をみわたす目が冷たい。
「ありゃ、どこの種族のこどもだ?」
ドドルがけしからんというようににらむと、むこうは手にしたグラスをかかげて、にやりと不敵なわらいをうかべ、低く通る声でこういった。
「さあ 《 ジャックの誕生祭り 》を はじめようじゃねえか」
これに、ドドルをふくめた大広間にいる連中が、わらうような、あざけるような声をかえし、ひとりが代表して、坊やジャックの誕生祭りは陽が沈んだ鐘ではじまるんだよ、と、教えてやった。




