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えらばれた王
「 ジャックはわたしたちの知らない《種族》と契約してるんだ。 その《種族》が、彼の頭をもういちど生えさせたと聞く。 だから、―― 彼が『王』なんだ」
「えらばれた『王』なのよ」
ネイブの膝のうえに座ったスネイキーが小声で「ホーリーとちがって」とささやく。
「 そりゃ、まちがってもホーリーは選ばれないだろうけど、・・・なんかまえ、ジャックと知り合いみたいなこと、聞いたな」
膝にのせたスネイキーの細く白い腕が首にからみつく。
「 そんな、そっけない関係じゃないわよ。 あのふたり、 ―― 」
途端に膝から女の重さが消え、逃げ込んだテーブルクロスの裾がゆれた。
『おまえらおれのこと好きすぎてしょうがねえんだろ』
どこからか低い声がひびき、ウイザナのたてがみが異議をとなえるようにゆれる。




