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囚われ姫は暴君魔王に救われる  作者: あいだのも
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21話 温泉郷


マリア編

――――――――――――――――――――――



あれからイリシアスはよく私を誘って来る

屋上で星を見ようだの

ピクニックしようだの

花を見ようだの


思ったよりも積極的に連れ出す。


断る理由もないし

むしろ彼との時間は何も考える必要も気遣う必要も無く心地が良い


逆にバベルは一切誘ってこない。

少し寂しい気はする。




「マリアさん、遠いんだけど

放浪していた時にお気に入りの温泉があるので一緒に行かない?」


「温泉ってなに?」


「お湯にゆっくり浸かって身体を癒す場だよ」


癒しの場…

最近色々ありすぎて疲れている

「行く!」




軽やかな風が頬を撫でる。

荷物を背負い、期待とワクワクが胸に広がる。


「それじゃあ行こうか」

イリシアスの身体が輝きだす。


「待って!」


「?移動魔法が怖いの?」


「折角だから、イリシアスの背に乗って行きたいな!

放浪も龍の姿だったんでしょ?」


そういうとイリシアスは輝きながら龍の姿になり

「そうだね、魔法より

こっちの方が気持ちよさそうだ」


イリシアスは私を乗せるとふわっと浮き上がった。

羽ばたき、空高く舞い上がる。

その翼の力強い羽音が耳に心地よいリズムを奏でる。


地上の風景がどんどん遠くなり、

山々や川、緑豊かな森が一望でき、

空を飛ぶことでしか見ることのできない絶景に胸が躍る。


イリシアスの背は堅牢で、その体温が身体を包み込むように感じる。

特に会話は無かった。

だからこそ、私たちだけの心地の良い空間だった。



イリシアスが羽ばたくことなく滑空しだし、滑らかなカーブを描きながら高度を下げていく。

静かな空気の中で自由に浮遊する感覚を味わう。


体感時間にしてあっという間であった。

大きな山と小さな街が見えてきて、近くの草原に降り立った。

温泉街に足を踏み入れると、入り口には趣のある温泉街の案内板が立っており、

さまざまな観光スポットや温泉宿が記されている。


歩道には石畳が敷かれており、歩くたびに足元が心地よく包まれる。

街の至る所から温泉の湯気が立ち上り、匂いが漂ってくる。


街の中心部に近づくと、徐々に活気が増してくる。

観光客の姿が目立ち始め、

人々が腰掛け、足を温泉の中に浸してリラックスしている。


私も見よう見まねで足を入れてみると

足を入れただけなのに全身が温められている様に感じ

このまま溶けてしまいそうな感覚になる。

「これが温泉!!

気持ちいいー」


それを見てイリシアスは微笑ましく笑い

隣に座り腰かけ湯に足を入れた

「それは足湯だよ

僕らはこれから全身浸かるんだ」


「ほぇえ

これに浸かるの?

本当に溶けちゃうね」


「はははは、本当に面白いね君は」


この街並み、雰囲気、温泉。

こんな素晴らしいところがこの世界にあったなんて。


そう思っていると沢山居た観光客が左右に分かれ道が出来

中央から見慣れた異次元が現れた。


温泉街の人は恐れ慄き跪く。

癒しとは正反対の男が現れた。


「貴様ら!二人で旅行は許さんぞ!」


「良かった」と思ってくださったら

是非ブックマーク、★★★★★をお願いします。

筆者が泣いて喜びます。




⚫︎最恐オーガは他種族女子と仲良くなりたい 完結済

https://ncode.syosetu.com/n4187hi/


他種族の接触が禁じられた世界

最恐のオーグンが他種族の女の子と仲良くなりたくて人間の王子と旅をする物語です。

お馬鹿で変態だけど純粋なオーグンの冒険を覗いてみてください。

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