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囚われの姫と暴君魔王──運命か、恋か  作者: あいだのも


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19話 盗賊の巣


国の外に出ると、草原が広がり、遥か遠くには蒼い山々が聳え立っている。

空は深い青色で、果てしない世界が広がっている。


この場所に来るのは姫に拾って貰った時以来だ。


昔の自分を思い出される…



「ミドル、盗賊はどこにいるの?」

レイナが聞いてきた。


「僕たちの一派は壊滅したのでもう無いけれど

盗賊の中で一番大きな一派が滝の近くにあると言われていた。

彼らはその場所を巧妙に隠し、容易には見つけられないと」


「滝か…地形的に隠れやすいのはこの霧峰の滝 だろうな」

アルさんが国王から貰った地図を指さした。

この地図には魔人との境界線がハッキリと示されている。

つまり、魔王はこの先の魔人の住処にいる。


昔を思い出したせいか

魔人に対しかつての殺意が湧く


「ミドル、その会いに行く盗賊はどんな奴?」

レイナの言葉にハッとして今の自分に戻る


「盗賊大頭ライル、僕より10位上だと思う。

僕が知っている時から大頭だった。

非情さとカリスマ性両方を持っていて今の僕と同い年くらいの時から

周りの盗賊たちに恐れられていた」


「そんな危なっかしい奴を仲間に入れるの?」


「だからこそだよ

僕たち攻める側を知らない。

盗賊は攻めのプロだからね」


「ミドルの考えは正しい。

問題は仲間になるかだ

ミドル、面識はあるのか?」

アルさんが珍しく僕の考えに賛同してくれた。


「無い

けど、噂に聞いている」


話しているうちに滝に着いた。

滝に近づくと、辺りに立ち並ぶ木々の陰に隠し道があった。

それは細く、不自然に伸びているように見える。

まるで盗賊たちが意図的に隠したような道である。


彼らの道の入り口

この先は完全に彼らのテリトリー。

罠が張り巡らされているかもしれない。


「大頭ライルに仕事を頼みたい!」

そう大声で言うと僕たち三人はすぐに大勢に囲まれた。


「ちょっとミドル!…囲まれちゃったじゃないの」

レイナは焦りながら武器を構えた。


「大頭に仕事だと?生意気な!」

盗賊達が臨戦態勢になるより一瞬早くアルさんが臨戦体勢になった。


「ああ、あんたがいつも言う浪漫あふれる仕事だと伝えてくれ」




奥から妖艶な女性に囲まれて出てきた男

バラバラに切りそろえられたセンスのある黒髪、

軽やかな笑顔だが、どこか闇のある表情。

派手な顔の割に収納が多く実用的な服

その服を隠す為のマント。


「退屈だぜ…うん?

盗賊のピアス、王国の騎士の服

てめぇまさかと思うがミドルか!?」

僕は頷いた。


「大頭ん この可愛いボーイを知っているの?」


「一応な、10年ほど東の方に前特に狂った盗賊どもの中に

特に狂ったガキがいてな、王国軍に全滅させられ

そのガキがミドルって名前だった

てめぇが牙を抜かれ王国の犬に成り下がったって訳か

がははは 傑作だぜ!」


周りに下品な笑いが立ち込める



「僕を知っていたなんて、ライルの情報網は流石だね」

「『僕』なんて似合わねぇ言葉使いやがって

それで犬たちが何の用だ?」


今までのふざけた顔を一変させ

「俺らを潰しに来たのか?」


そう言うと

周りに居た盗賊どものヴォルテージが一気に上がる。


「うおおお殺せ殺せ」

「女は引っ剥がしてやっちまおうぜ」

「あんなデブもいるのかこんなやつら瞬殺だぜ」


「うるせぇぞ馬鹿ども!」

ライルの一喝に周りがシーンとなった。


「わざわざ3人で来るなんてそんな馬鹿じゃねぇよなぁ

だが、こっちも3人だからってまともに戦ったら大きな損害だ」

ライルは見ただけでこちらの戦闘能力が分かっている。


「浪漫のある仕事と言ったな、内容はなんだ?」


「魔王を滅ぼす」

場が一気に静まった。


「がっはははは

なんだ、ミドルお前牙を抜かれた訳じゃねぇんか」

とライル一人だけ高笑いをしている。


「魔王退治か

浪漫、確かに浪漫は感じる

退屈もしなくて良さそうだ

だがな、答えはノーだ」


「な、なんでだ?」


「お前は俺の事を分かっているつもりだろうが

まるで分かっていない

大人しく帰るんだな」



「良かった」と思ってくださったら

是非ブックマーク、★★★★★をお願いします。

筆者が泣いて喜びます。




⚫︎最恐オーガは他種族女子と仲良くなりたい 完結済

https://ncode.syosetu.com/n4187hi/


他種族の接触が禁じられた世界

最恐のオーグンが他種族の女の子と仲良くなりたくて人間の王子と旅をする物語です。

お馬鹿で変態だけど純粋なオーグンの冒険を覗いてみてください。

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