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囚われ姫は暴君魔王に救われる  作者: あいだのも
15/32

15話 魔人の舞踏会

不安がよぎる中パーティが開催される。

私は時刻ちょうどに会場に着いた。

会場はすでに参列者による立食パーティが行われていた。


ソフィアともう一人の幹部二人で玉座の元で跪いている。


ソフィアが警告した淑女の魔人達も参列していた。

美しい魔人達が美しい衣装を纏って

美しい立ち振る舞いをしている。


思わず見とれてしまう。

見とれていると魔人の一人が目線に気付き目があうと

軽く会釈をした。

そこで我に返り、すぐに見よう見まねで会釈を返した。

こんなに美しい人達に何かされるとは思えない。


ただ、ソフィアが仕立ててくれたドレスは

彼女らに劣ってはいない、ちゃんと馴染んでいた。


会場にはすでにイリシアスがいた。

彼は挨拶に来賓と話したり相変わらず満点の対応をしている。


彼についてはまだよく分からないが

中庭での彼が本来の彼なんだと思う。

あれだけ、完璧な対応をしながらも内面は嫌々って言うんだから

人の本音って分からないね。


彼は私を見つけるとにこっと笑い手を振った。

この感じは中庭での彼に近い気がした。

私も手を振って返したら

一気に周りから注目を浴びた。


がそれも一瞬、また何事も無かったかの様に続いていく。



会場の明かりが少しずつ落とされ、

パーティの会場は緩やかに暗転していき、

その中央には一つのスポットライトが灯っていた。


宮廷楽団が美しい音楽を奏で

場内の期待と緊張が最高潮に達したとき


中央に黒い渦が現れ、その中からバベルが登場した。


バベルの登場に、会場は一瞬息をのむような静寂が広がったが、

やがて大きな歓声と拍手で包まれた。


魔王の復活。

良くも悪くも世界中にとって、

とてつもない大きな出来事。


「祝え、愚民ども、我の復活を!」

そう言うと一際大きな歓声が上がった。


愚民…私は気に食わないが魔人の世界では普通なのだろう。


「そして、祝え!我の結婚を!」

そう言うとスポットライトがもう一つ

まばゆく私を照らした。


待って…

結婚なんて聞いていない…

確かに、結婚を前提に考えるなら城に居ていいとは言われたが

昨日の今日…


夜襲を受け、バベルに救われ、バベルの事を意識し始めたけれど

まだ結婚の覚悟なんて決まっていない。


まぶしくて周りの人の顔もハッキリ分からない中

玉座の元のソフィアを見た。

動きたいけど動けない苦渋の表情を浮かべていた。


次にイリシアスを見つけると

イリシアスは毎度の事の様に頭を抱えている。


バベルはそのままゆっくりと私に近づき

私の肩に手を添えた。

逆光で会場の反応が分からない。


「ちょっと待って!

私はまだ、結婚するなんて言ってない!」


「何を言っておる。

貴様は我に惚れておる。

我も貴様に惚れておる。

結婚するのは時間の問題

だったら、発表するのにこの場以上の場はないではないか」


忘れいた。

こいつのわがまま暴君。

命の危機を助けてくれたから良い奴だと思ってたけど

吊り橋効果に惑わされてはいけない。

これが本当の姿。



「…あんたの人の事を考えないで行動するのが嫌い!」

バベルの手を振り払い正面から言い放つ。


「なっ」

バベルは思ってもいない事が起きたように固まった。


「人の事を見下すのも嫌い

人にありがとうやごめんを言えない態度が嫌い

人が自分のいう事を聞くと思い込んでいる事が嫌い」


「っぷ」

とイリシアスが笑ったのが聞こえた。


「私はあんたを認めた訳じゃない!」

そう言うと

こんな注目を浴びる場で

エネルギーを使いお腹が減った。


食事の方へ向かう。

その姿さえもスポットライトが追ってくる。


「追って来ないで!」

そう言うと会場はゆっくりと明転した。




バベルは我に返ると

中央の玉座にドサッと座る。

それを合図に止まった時間が動き出した。




「良かった」と思ってくださったら

是非ブックマーク、★★★★★をお願いします。

筆者が泣いて喜びます。




⚫︎最恐オーガは他種族女子と仲良くなりたい 完結済

https://ncode.syosetu.com/n4187hi/


他種族の接触が禁じられた世界

最恐のオーグンが他種族の女の子と仲良くなりたくて人間の王子と旅をする物語です。

お馬鹿で変態だけど純粋なオーグンの冒険を覗いてみてください。

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