表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
侯爵様はヴァンパイアを妻にお望みのようです  作者: リラ
再会は春嵐のように、凄絶に
70/120

最悪だな

「お父様と男爵夫人の仲は、当時伯爵だったおじい様に認めてもらえず、お父様は伯爵令嬢であったお母様と結婚しました。けれどおそらく今でも、忘れられないのでしょう。お父様の書斎で、ただ近くで想うだけでも許してくれ、という風な内容の手紙を見つけましたから」

「それは何と言うか……。伯爵夫人が知っていたとしたら、辛いな」

「お母様はたぶん知っています。けれど、お父様に意見するような事は出来ない人ですから。その分の愛情を全て、わたくしたち兄妹に与えてくれたのでしょう」

「……あの男のあの様子だとそれを知って、軽蔑しているのか?」


それはどうだろう、とレイチェルは思う。ヴァンパイアとなってようやく知った事を、あの男が知っているとは思えない。伯爵だって出せない手紙を書斎に溜めるくらいで、世間体の為に隠すはずだ。


両家は婚約する時にたった一度顔を合わせただけであり、その時に果たして伯爵の想いを見抜けるものだろうか。男爵でさえ知らないその事を。


男爵が知っていれば、婚約の話しは最初から無かっただろうに。それだけが、レイチェルには少し残念だ。元婚約者、というのはいつまで付きまとうのだろう。そう考えて、今後一切の関わりが無いようにして貰わなければ、と密かに心に決めたのだった。


「……たぶん、違うと思いますわ。さっき、伯爵家側から婚約解消された事が気に入らない、と言っていました。そしてあなたにわたくしがヴァンパイアだとばらす、と。お父様の事は何も言っていませんでしたし、わたくしが幸せでなければいい、と言っていましたので。あれは母親の元恋人で、未だ想いを寄せる男の娘を軽蔑する、というよりは、わたくし自身が気に入らないようでしたわ。だって、婚約解消してしまえば無関係でしょう?」

「そんな事まで言われたのか。最悪だな」


眉間に皺を寄せたクライヴに苦笑するが、その言葉には大いに同意した。


「最初は紳士的だったのですけれどね。それが、わたくしが冗談で口にした言葉が気に入らなかったらしく……。それからは、叩かれるなんてしょっちゅうでしたわ」

「相談はしなかったのか?」

「怖くて。今だと言えましたけれど。あの頃は本当に怖くて……。やっと相談したのが17歳の時で、いよいよ結婚の話が持ち上がったので、お母様に話しました」

「気がついていたんじゃないか?」

「ええ、おそらく。お父様は渋ったようですが、婚約は解消されました。今日はわたくしが一人になる機会があると踏んで、わざわざ代理になってまでやって来たのでしょう」


何と言う執念深さ。それをこれからは他の事に役立ててほしい、とレイチェルもクライヴも口を揃えた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ