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女神ステラの世界が救われた話をしよう世界-姫様-

「ステラ様、いらっしゃいますか?」


 城下を眺めていると二回扉を軽く叩く音と共に透き通った可愛らしい声が聞こえてきた。聞き覚えのある声に私は扉の方に向き直って声の主を部屋へと招き入れることにした。


「いるわよ。どうぞ、入って。トワネス姫」

「失礼します」


 ゆっくりと扉が開いていき、淡いピンク色の長髪を後ろへと流しながらドレス姿のトワネス姫が部屋に入ってきた。出会った頃はまだ少女だった彼女も今では立派な女性へと成長していた。優しそうな丸みを帯びた目は相変わらずだけど、顔立ちは随分と凛々しくなった。

 一緒に来ていた侍女達も部屋に入ろうとしていたがトワネス姫が手で静止させて部屋の扉を閉めさせると部屋の中央付近まで歩いてきたトワネス姫は少し疲れたように深く息を吐いた。


「お疲れのようだけど大丈夫?」

「はい、大丈夫です。ちょっとドレスが……今まではこんなことなかったんですけど少し胸の部分がきつくて」


 成長したのだろうという素直な感想を我慢する。


「もうすぐ結婚式なんだから主役の一人が体調不良になっちゃ駄目よ」

「そうですよね。でも緊張とかで正直あまり最近眠れていないんです」

「よく眠れる魔法でもかけてあげましょうか?」

「いえ、ステラ様のお手を煩わせることでは……」

「貴方達親子はステラに遠慮しすぎよ。ステラとしてはこの国にとてもお世話になっているんだから少しは我が儘言ってもいいのよ」

「お父様も何か?」


 父であるアフリードの話題にトワネスの目つきが少し鋭くなる。


「アフリードから聞いたけど……喧嘩中みたいね」

「喧嘩ではありません。ちょっとお父様と距離を取っているだけです」

「充分親子喧嘩よ。勇者殿は何か言ってないの」

「彼はきちんと話をした方がいいと勧めてくれてますが……」

「自分から距離を取っているからすぐには行く勇気がないってところね」

「……さすがステラ様にはお見通しですね」

「そうでもないわよ。ステラはここ数年でようやく経験出来た人の関係を元に予想で言っているだけ」

「ご謙遜ですよ」


 少し話をして落ち着いたのかトワネス姫の目つきから鋭さが消える。


「ステラに何か用?」

「いえ、特に何かではありませんが、いらっしゃったと伺ったのでご挨拶に」

「私の方から会いに行ったのに」

「ステラ様に足を運ばせるわけにはいきません」

「運ばせてよ。ステラはもうただ座って誰かの話を聞くだけの女神はやめたんだからさ」

「ステラ様はもう充分ご自分の足で世界を歩きまわり、人々の声をお聞きになってくださっていますよ」


 トワネス姫の言葉は私にとって素直に嬉しかった。


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