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女神ステラの世界が救われた話をしよう世界-続続-

 この世界で勇者殿は多くの知人、そして愛する人を得た。勇者殿がこの世界へ残ることを選択したのならその選択を尊重するべきなのだろう。

 でもだ。元の世界には勇者殿の家族もいるし、多くの知人もいる。その方々から勇者殿を奪ってしまった責任として勇者殿を元の世界へ返すのがせめてもの女神として義務だと考えている。

 悩ましい決断をしなくていけない。


「具体的な日程は決まっているの?」

「一か月後の姫様の生誕日となっております」

「分かったわ。それまでにミグリットには行くことにする」

「出席ありがとうございます。小規模とはいえ必ずや記憶に残る式となるでしょう」

「どうせなら盛大にやればいいのに。国全体も盛り上がるでしょうに」

「復興に人材と資材を優先させている結果でありますので」

「決めたのは勇者殿とお姫様?」

「はい、王様は盛大にと言われたのですが、お二人が復興の邪魔になるような式ならしたくないと。そういわれて王様が折れた形となります」

「大事な一人娘の結婚式ですもの。出来る限り親として力を入れて祝いたいのね」


 思い返してみれば娘離れが出来ていない王様だった。勇者殿と姫の仲がなかなか進まなかった原因の一つでもあるだろう。二人がいい雰囲気になると決まって邪魔をしにきていた印象が強い。


「私の他の参加者は他国の王族かしら。勇者殿は知人が多いし、全員揃うと小規模じゃなくなる気がするけれど」

「勇者殿と姫様は結婚式が終わるとすぐに旅行へと出かけられ、旅行の途中で知人が住む場所を尋ねるそうです。そのため無理をして式に参加されることはないとの知らせが各地に渡っています。なので当日参加される方々は魔王討伐のメンバーと女神ステラ、そして王国の近隣に住む方々となります」

「魔王討伐のって……彼らもそれなりに忙しそうだけど」

「是が非でも参加すると伺っています」


 彼らも魔王討伐の主要メンバーであるため勇者殿と同様に各地で英雄として称えられる。英雄としての称えられることに甘えることなく復興の陣頭指揮をしていると聞いている。人の身であるがゆえに私以上に忙しいはずだ。それでも結婚式に是が非でも参加とは勇者殿がとても慕われていることがよく分かる。

 旅の道中よく喧嘩もしていたものだが、おかげで絆がかなり強まったのだろう。


「約一年ぶりの再会となるわけね。私としてはあっというの一年だったけれど、なんだがとても懐かしいわ」


 勇者殿をこの世界へ召喚してから始まった旅の数年は私がそれまで過ごしてきた幾星霜の年月と比較出来ないほど濃密で私に多くの学びを与えてくれた。あの数年間で私は初めて生きている人々をちゃんと見ることが出来たのかもしれない。それまでも見ていて知っていたけれど、分かってはいなかった。

 成長などしないと思っていた女神としての私を成長させてくれた勇者殿と旅の仲間達には多くの感謝しかない。


「久しぶりの再会でお祝いの場だもの。とっておきのお祝いを準備しないといけないわね」

「女神ステラが来ていただけることが充分お祝いになります」

「気持ち以外も送りたいのよ」


 結婚式まで一か月、いろいろと悩んでいる内に直ぐ当日が来てしまいそうな気がした。

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