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知り合いの知り合いとは

「ステラ、この人……ダレ?」

「清隆君よ。少し前まで忙しかった件を手伝ってもらっていたの」

「いえ、あれは僕がステラさんに手伝ってもらっていたのですよ」

「ふーん……」


 ふいに香織が私の腕に自分の腕を絡ませてきた。


「えっと……ステラさん、こちらのお嬢さんは?」

「友達よ。せっかくだからちょっと脇に反れて自己紹介しましょうか?」

「ええっ!」


 香織が不満の声を上げたけれどいつまでも歩道の真ん中にいるわけにはいかないので絡ませた腕を逆に引っ張って建物の壁際に移動する。


「では僕から城 清隆と言います。家業の八百屋を手伝いながら消防団に入っており、地域のパトロールなどをしております。ステラさんにはそのパトロールのお手伝いを何度してもらっております」

「うわ、真面目ですかよ」

「はい、真面目です」


 香織の嫌み交じりの言葉を清隆君は称賛と受け取って笑顔で返した。笑顔を返された香織は何か眩しかったのか口と目を閉じて小さく呻いた。


「さ、香織の番よ。自己紹介されたんだから自分もしないと」

「こういうちゃんとしたのは苦手なんだけど……宮田 香織、以上。プライベートを言う必要ないでしょ」

「そうですね。お名前が分かれば十分です」

「ステラ! この人、嫌みが通じない!」


 香織が腕を絡ませたまま体を揺すってくる。

 

「そこが清隆君のいいところね」

「ステラさんのお褒めに与り光栄です」

「ところで清隆君は買い物? 私達もなんだけど」

「いえ、映画を見に来ました。この辺りの映画館で少し古い映画を上映しているのを友人経由で知りまして懐かしいので見に行こうと」

「いいわね。ステラの場合、映画は家で見ているけれど、たまに大きな画面と音響で見たい衝動に駆られるわ」

「最近の映画館は凄いですよ。席が動いたり煙が出たりしますからね。自分がいなかった間に凄い進化したなっと驚かされました」

「アレね。私、席でゆっくりしたい派だから苦手なのよ。そういえば香織は映画とか見る?」

「見ないわよ。映画館自体、小さい頃に数えるくらいしか行ってないと思うし、中学くらいからは近寄りもしてない」

「本当に? って……ああ、香織の場合はそうかもね」

「おかげで友達の輪に入れないことが多々あったわよ。……両親への愚痴が一つ出来た」

「ふふ、それは良かったわね」


 香織の話を聞いていた清隆君が少し察したように一歩身を引いた。


「では僕は上演時間がありますので失礼します」

「ええ、またね」


 清隆君はこれ以上立ち入るのを遠慮するかのように足早に去っていった。


「……ステラって変な知り合い多いよね。あの弁護士さんもそうだけど」

「それは香織自身も変な知り合いって認識でいい?」

「私は除外!」


 不機嫌そうに頬を膨らませた香織に腕を引かれて私達はお店巡りを再開した。


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