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無駄にデカいのよりも小さいのが性能いいこの頃

「吹き飛びすぎでは?」


 障害物となるような岩などは無いためアルゴロナシスはどこまでも遠くへ飛んでいく。このままでは見失ってしまうと追いかける。吹き飛ばされているアルゴロナシスが慣性に抗っていたため速度がだいぶ落ちていた。おかげで早めに追いつくことが出来た。だけど、まだまだ止まりそうになかったのでアルゴロナシスの前に先回りをして片手を突き出して止める。アルゴロナシスに人間と同じ骨があるのかは分からないけれど、片手で止めた瞬間に背骨があると想像できる場所から大きな音が響き、アルゴロナシスはその巨体を海老ぞりさせると地面に倒れた。


「……正直、謝るわ。あんたの部下、ガルバリスが神だって言って敬っていたからかなり強いと思ってた。そうよね、思い込みはいけないわよね」

「ぐぅぅ、ううぅ」

「謝りはするけれど、あんたは放っておけないことには変わりないからここで跡形も無くなってもらうわ」


 浄化の炎で焼き尽くそうとした時、アルゴロナシスの体に変化が現れた。見上げるほどだった巨体があっという間に縮んでいき、青年男性の人型サイズへとなった。


「随分と燃やしやすく小さくなってくれたけれど……なに?」

「ふ、貴様と同じよ。今までは恐怖というのを体現すべく無駄に体を大きくしていたがそれをやめたのだ。このサイズに魔力を収束させることで私の真の力を見せることが出来る」

「んー……そんなに変わらないと思うけど?」

「変わらないだと? では見るがいい。攻撃の威力も速度も今までとは比較にならんことを!」


 言葉を放った途端、アルゴロナシスの姿が私の視界から消えた。


「後ろだっ!」


 こちらの世界で愛読している漫画でよく見るシーンだし、実際過去にも何度か同じようなセリフを吐かれたことがあるけれど、自分から居場所を言ってしまうのは何故だろうと毎回疑問に思ってしまう。

 状況の有利不利とは関係なく、ただ言いたいだけだったりするのだろうか。

 まあともかくわざわざ親切に後ろから攻撃しますと言ってくれているわけなので遠慮せずに避ける。


「なっ!」

「驚いた顔してるんじゃないわよ。せっかく死角取ったのに声掛けたら無駄じゃない」


 私はアルゴロナシスに向けて魔力弾を放つ。貫通させるつもりで放った魔力弾をアルゴロナシスは体をそらしてギリギリ躱す。


「へぇ、速くなってるのは本当ね。当てようとしたのに」

「いつまでもいい気になるな」


 アルゴロナシスから感じる魔力が一段と膨れ上がったと感じた瞬間、全身に真上から抑えつけられるような物凄い負荷がかかった。


「っ!?」

「私は神だ。重力を操作することなど容易よ。既に先ほどまでいた世界の数百倍の重力を与えている。このまま押しつぶされるがいい」

「いきなりでびっくりしたけど……そうね。重力操作は神様なら容易よね。私もそれで浮いているし」


 自分に圧し掛かっている重力を反転させて逆にアルゴロナシスへと重力の比重を傾ける。


「なっ!? ぐぅぅぅ!!」


 アルゴロナシスは体全体にかかる重力に耐えようと中腰になった。踏ん張っている両足が地面ごと沈み込んでいき、歯を食いしばるアルゴロナシスの表情には余裕が見えない。


「なんか拷問みたいで嫌だからやめるわ」


 見ていて気分が良くないので重力操作を解く。解放されたアルゴロナシスはめり込んだ足を地面から引き抜き、怒りの形相で私に向かってくる。

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