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けっちゃこ

 集中力の切れたタイミングを狙った攻撃に清隆君の動きが一瞬遅れる。清隆君は後ろへ回避しようとするが、その動きよりも速くガルバリスの牙が迫り回避しきれない。

 ガルバリスの口が清隆君を嚙み砕こうと豪快に閉じられた。

 途中まで。


「っ!?」

「あなたの狙い、結構分かりやすいわよ」


 ガルバリスの上下の牙に挟まれるように私が展開した球体バリアがあり、中には清隆君がいる。ガルバリスが仕掛けてくるだろうタイミングは予想出来ていたので私はそれに備えていた。

 

「ぐぅぅ!!」


 ガルバリスは力づくでバリアごと清隆君を噛み砕こうとするけれど私のバリアに阻まれて牙の先すら食い込まない。先ほどまで光の柱を止めてようと連続して出していたバリアとは質が違う。清隆君を守るために展開した特級品だ。

 私はバリアの中にいる清隆君の魔力が増大していくのを感じた。


「清隆君!」


 清隆君がバリアの外に飛び出したのを見た。ガルバリスの口から外へではなく中へ。閉じかけた牙に阻まれて中の様子は見えないが清隆君が止めの一撃を繰り出そうとしていることだけは分かった。

 ガルバリスも自分の口の中で清隆君が動き出したのを察知してブレスを吐き出す動作に入った。口を閉じたままなので行き場のないブレスでガルバリス自身も傷つくことになるだろうけれど、清隆君を仕留めるために後は考えない行動に出た。

 私は一度球体バリアを解除して清隆君を守るように再度バリアを展開しようとする。清隆君の魔力が強まっているので見えないけれど場所だけは正確に分かった。

 バリアを展開する寸前で頭上から光の柱が襲い掛かってきた。見るとガルバリスの両手には先ほどの魔法陣が展開していた。回避するために動いたせいでバリアの展開が遅れた。

 ガルバリスと視線が合う。ガルバリスはざまあみろという目で睨んできたので私もざまあみろという目で睨み返した。


「光覇螺旋貫通脚!!」


 ガルバリスの口の中から清隆君の叫び声が聞こえてきた。ガルバリスの口の中が一瞬光ったかと思うとガルバリスの動きが止まる。石化したかのように硬直した次の瞬間、ガルバリスの後頭部から何かが飛び出してきた。それがガルバリスの口内から後頭部へ中を突き破ってきた清隆君だと分かり、私はほっとして顔を緩ませる。

 完全に絶命したガルバリスの口からは力が抜けて開け放たれる。その結果、喉まで来ていたブレスが勢いそのままで放たれた。水出しっぱなしの長いホースのようにガルバリスの首がブレスの威力に成るがままに動き回り、周囲に炎がまき散らされた。

 戦っているこの場所には私と清隆君以外いないが、角度を付けてブレスを吐かれれば遠くまで飛んでしまい、そこに人がいれば被害を受けてしまうかもしれない。


「倒されてからも最後の最後まで迷惑をっ!」


 私はガルバリスを中心に巨大なバリアを展開した。飛んでいくブレスを全て内側に閉じ込めるためのバリアだ。一度広範囲に展開したバリアを今度は縮小させていき、ガルバリスの体をようやく包むくらいまでにする。

 まだ吐かれ続けるブレスはガルバリス自身の体を焼いていく。その光景は敵の最後とはいえ物悲しい。


「ステラさん、ガルバリスが……」

「ええ、本当なら自分の炎では焼かれないように魔力で保護してたんでしょうけどね」


 岩をも容易に溶かす炎は主が亡くなっても威力は衰えることはなく、肉を焼き尽くし、骨を溶かしていった。ブレスが吐き終わった頃にはガルバリスだったモノは黒焦げた歪な造形へとなっていた。元がドラゴンだったとは誰にも分からないだろう。

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