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大陸でまったく人がいない場所

久しぶりの投稿となります。待たれていた方が居られました申し訳ございません。

少々体調不良が続いておりました。

 ガルバリスは頭から地面に叩きつけられた振動で洞窟が震え、天井から大きな岩がいくつも降ってきた。私はバリアで清隆君は上手く避けながら回避したが、ガルバリスの頭や体には追撃とばかりに岩が落下していく。

 岩は大したダメージではなかっただろうけど、続けざまに攻撃を受けたという事実がガルバリスは怒りを覚えたのか乱暴に起き上がると碌に狙いも定めずに再びブレスを吐いた。


「おのれっ! 小賢しい奴らよ!!」

「清隆君!」


 岩をも溶かすブレスが当たるより先に清隆君をバリアの中へと誘導する。


「またまた助かりました」

「助けるのがこの世界でのステラの役割よ。ちょっとした義務でもあるし。てか、今度の攻撃は長いわね」


 長い高熱のブレス攻撃によって周辺の地面は溶岩湖のように煮えたぎり波打っている。バリアの外の気温を計る方法はないけれどかなりの高温になっていることは見るだけで想像できる。私の加護だけで清隆君がバリア外で戦えるのかも少し不安だ。

 ガルバリスはブレスを吐き終わると落ち着きを取り戻したのか、一度祭壇の上部へと顔を向けた。


「主よ。奴らを始末するためにしばしこの場を後にします。少々お待ちください」

「何かするつもりよ、清隆君」

「何が来ても驚きませんよ」

「それフラグって言わない?」


 直後、地面が揺れ始めた。倒れないように姿勢を保ちながら周囲を見ると揺れているのが私達の地面だけであることが分かった。溶岩は変わらず波打っているが先ほどとさほど変化はなく、天井も揺れているようには見えなかった。


「ここでは満足に戦えないのでな。場所を移そう。お前達の世界に」


 私達がいる地面が隆起して天井へとせり上がっていく。天井には空間の歪みが発生していた。ガルバリスの言葉通りならあの歪みの先は元の世界、場所も同じならあの廃工場に私達は火竜の姿をしたガルバリスと共に戻ることになる。

 廃工場はあるのは郊外だけど周辺に住宅がまったく無いわけじゃない。ガルバリスとの戦闘余波、特にあのブレスがどこまで届くのか想像できない以上は元の場所で戦うわけにはいかない。仮に被害がなくてもドラゴンとか空想の産物でしかないという認識が一般的な元の世界に火竜が現れたら大騒ぎだ。

 結論として元の廃工場の場所に戻るのは避けないといけない。


「清隆君、飛んで!」

「は、はい?」


 疑問符を浮かべながらも清隆君は私の合図で一緒に飛んでくれた。バリアは球状に展開したままなので狙い撃ちでブレスを吐かれても耐えられる想定だった。

 だけど襲ってきた攻撃はブレスではなく尻尾による打撃だった。しかも上へ向かっての狙い撃ち。空中で留まろうとしたが勢いを止められずに天井に出来た空間の歪みに入り込んでしまった。


「外で思う存分暴れさせてもらおう」


 ガルバリスが羽を広げて飛翔してくる。今度は私のバリアに体当たりする形でさらに私達は空間の歪みへと押し込んでくる。完全に空間の歪みに飲み込まれてしまい、外に出てしまうのは避けられないと私は観念する。


「仕方ない、せめて」


 私はガルバリスに押し出される先、空間の歪みの出口へ向かって手をかざして魔力を送った。

 空間の歪みから地上高く放り出されて見えたのは夜明け前の空だった。どこまでも広がる空とそして地平線の風景はこんな時だが一瞬息をのんでしまうほど綺麗だった。

 そんな私の感想とは裏腹にガルバリスが驚きの声を上げた。


「なっ!? どこだここは!?」


 私達とガルバリスが空間の歪みから出現した場所は元の廃工場ではなく、見渡す限り何もない荒野なのでガルバリスが驚くのも無理はなかった。

 同じように清隆君も驚いている。


「ステラさん、ここは?」

「たぶんオーストラリア。誰もいなそうな場所に空間を繋ぎ直してみたの。上手くいってよかったわ。下手したら宇宙とか海底に出てた可能性が在ったし」

「怖いことを言わないでください」

「女神、あなたの仕業か!」


 ガルバリスが空中にバリアごと浮遊している私達に向かって爪を振り下ろしてくる。清隆君のように黒い鞭を出されて捕まるのを防ごうと大きく避けて地上に降りる。

 ガルバリスも土埃を舞い上がらせながら降りて、うねり声をあげながら臨戦態勢になる。土埃をバリアで防ぎ切った後、一度バリアを解除した。いつまでも展開させておくのはさすがに疲れた。


「まさかあの一瞬で空間の繋ぎ先を変えるとはさすが女神様といったところか」

「褒めてくれてありがとう。ちょっと気になったけどあんたはドラゴンの姿になってから口調が少し乱暴になったわね」

「いろいろと気遣う必要がなくなったからな。今この広い場所では戦闘もな!」


 ガルバリスの両手に魔法陣が浮かび上がると同時に真上に巨大な魔力を感じた。以前も感じたことがある圧だった。


「清隆君っ!」

「分かっています!」


 掛け声と共にその場から大きく退避する。直後に光の柱が先ほどまで私達がいた場所に叩きつけられた。何もない荒野だけに地面と空気の揺れが広く大きく伝播していった。 


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