動物カフェへ
「これからどうする? このペースだと想定よりも早く博物館は見終わりそうだけど」
「後一時間ほどあれば回れるかと思います」
アルガトの言葉を聞いてエメオールが口を開いた。
「予定的には動物カフェでしたよね」
「動物カフェについて調べてみたけれど種類があるのよね。猫や犬、うさぎに爬虫類、フクロウ。エメオール、どこに行きたい?」
「その中ですと犬ですかね。他は猫以外は聞いたことがない動物なので」
「うさぎとかは博物館にも展示があったけど……まあ、はく製はちゃんと見たくはないわね。エメオール的に」
私はスマホを操作してうさぎや爬虫類、フクロウの写真をエメオールに見せた。
「ウサギは……似ているのを食べてましたね」
「狩猟の対象ではあるわね」
「爬虫類は魔物に似たのがいるのでちょっと……。フクロウはいいですね。毛が柔らかそうで」
「時間も余裕が出来ると思うから両方行きましょう。犬カフェとフクロウカフェ」
「ステラさんが良いのであればお願いします」
「アルガトもいい?」
アルガトは深く頷く。
「構いませんよ。動物カフェがどのような商売か気になりますし」
「あんたは商売のことばかりね。そういうの抜きに楽しめないの?」
「性分になってますからね。商売込みで楽しむのが」
「アルガトらしくていいわよ。出会った当初から変わらなくて安心しているわ」
「安心いただける性分だとはあまり思えないのですが」
「変わっていく中でも変わらないものがあると安心するのよ。別に変っていくのが悪いわけじゃないけどね」
この後の予定を決める会話をしながら外の空気を吸って気分転換した私達は再び博物館内へと戻って残りの展示を堪能した。
博物館後に向かった犬カフェやフクロウカフェではエメオールが動物達に群がられてもみくちゃにされていた。動物には好かれやすい子ではあったが人慣れしている動物達が我先にと寄ってくるとは思わなかった。エメオールの衣服は多少汚れてしまったが動物達に触れ合えて本人は満足そうだった。
アルガトはアルガトで動物達に触れ合いつつも店員の人と多く話をしていた。聞こえてきた会話的に動物達の世話や店舗の内装について聞いているようだった。




